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野村農相「持続可能な基本法へ検討を深化」 基本法見直しへ中間取りまとめ決定2023年5月29日

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食料・農業・農村基本法の見直しに向けた農水省の農政審議会基本法検証部会が5月29日開かれ、これまでの議論を踏まえた中間取りまとめが決定された。会議の場で中間取りまとめを受け取った野村哲郎農相は「真摯で活発な議論が行われたと肌身で感じた。持続可能な基本法見直しに向けて検討を深化させていきたい」と今後に向けた決意を語った。

基本法検証部会で大臣に手渡し.jpg中嶋康博部会長(左)から中間取りまとめを受け取る野村農相

中間取りまとめは、これまでの15回の議論を経て同日の検証部会で決定され、中嶋康博部会長から野村農相に手渡された。
野村農相はこれを受けて「わが省としてこれを受け止め、平時から国民の一人一人の食料安全保障の確立、環境等に配慮した持続可能な農業・食品産業への転換、それから人口減少下でも持続可能で強固な食料供給基盤の確立といった観点から、持続可能な食料・農業・農村基本法の見直しに向けた検討を深化させたい」と述べ、今後の議論に向けた決意を語った。

中間取りまとめでは、基本理念として、▽国民一人一人の食料安全保障の確立▽環境等に配慮した持続可能な農業・食品産業への転換▽食料の安定供給を担う生産性の高い農業経営の育成・確保▽農村への移住・関係人口の増加、地域コミュニティの維持、農業インフラの機能確保、の4つが示された。

そのうえで分野ごとに基本的施策を示し、「食料」分野では、食料安全保障の定義を見直し、国民一人一人に食料を届けるための食料システムの構築を打ち出し、適正な価格形成に向けた食料システム全体の仕組みを構築することなどを盛り込んだ。
「農業」分野では、農業者が減少する中、離農する経営の農地の受け皿となる経営体などを育成・確保するとともに、副業的経営体など「多様な農業人材」を位置づけることを打ち出した。
「農村」分野では、農業を下支えする機能を集約的に維持することをめざし、農村におけるビジネスの創出や都市農村交流と関係人口の増加、多様な人材活用による農村機能の確保などを盛り込んだ。
さらに「環境」分野では、環境負荷軽減を行う農業の主流化、消費者の環境や持続可能性への理解醸成などを柱としている。

同法に基づいて政府が中長期的に取り組むべき方針を定める「基本計画」については、平時からの食料安全保障を実現する計画に見直し、食料をめぐる現状を把握して課題を明確化し、具体的施策を設定するとし、食料自給率については課題に適した数値目標を設定することとしている。

今回の決定を受けて、同省は7月以降、今後中間取りまとめについて全国から意見を募集するとともに、全国で10か所程度、地方意見交換会を開くことにしている。

(中間取りまとめの詳しい内容は30日にお伝えします)

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