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適正な価格形成 酪農乳業からワーキングチームで検討 農水省2023年6月14日

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畜産物を将来にわたり安定して供給するためには、生産コストの上昇を適正に取引価格へ反映していくため、農水省が設置した「畜産・酪農の適正な価格形成に向けた環境整備推進会議」は6月13日に第3回会合を開き中間とりまとめを行った。今後は、専門家によるワーキンググループを設置して検討を継続する。

福田座長福田座長

同会議は、生産・加工・流通・消費にかかわる幅広い関係者を委員として開催し、▽消費者の理解醸成と▽コストを反映した仕組みづくりについて議論をした。

円滑な価格への反映を進めるためには、生産コスト上昇の背景や生産者の努力を消費者に知ってもらう必要があるとして、どのような情報が伝わりやすいか、どんな情報発信の仕方が効果的かなどについて多くの意見が出ている。

第2回会合では飼料費だけでなく加工、製造、流通コストも上昇しており、「それらが適正に小売価格に転嫁できていない現状について分かりやすく見える化することが必要」、「生産コストのなかに人件費を明記する必要がある」といった意見が出ている。

また、「生産者は最大限努力しているが、今回のコスト上昇は受けきれません、というストーリーを示す必要がある」、「食べることで国の農業を守る、という心に響くキャッチフレーズが必要」、「酪農家が2万戸から1万戸に減っており、それぞれの酪農家の負担がいかに大きくなっているかをストレートに伝える必要がある」などの指摘も出た。

価格形成の仕組みづくりについては、当初は配合飼料価格の上昇に着目し燃油サーチャージのような仕組みの導入から検討する考えを農水省が示したが、「飼料サーチャージに限定せず幅広く検討すべき」、「生乳取引の実態を踏まえた議論を行い、生産者、乳業者だけでなく、小売・消費者の理解を得た仕組みにする必要がある」などの意見が出た。

第3回会合では中間とりまとめを議論し、同日の会合で出た意見を反映し今後、公表される予定。
座長の福田晋九州大学副学長は「サーチャージに限定するのではなく、バリューチェーン全体で適正な価格形成の仕組みづくりを検討する方向になった」として「専門家による丁寧な議論が行われることが期待される」と話した。

渡邊洋一畜産局長は「小売りや消費を含めバリューチェーン全体を検討の範囲として輸送費、光熱費なども含めたコストの指標を活用した仕組みを検討したい」と述べ、生乳、牛乳乳製品から関係者のよるワーキンググループを立ち上げて検討を継続する方針を明らかにした。その後、肉用牛、養豚、養鶏もそれぞれにワーキンググループを立ち上げて議論する見通しだ。

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