処理水放出めぐる中国の輸入規制強化の姿勢 野村農相が懸念示す2023年7月7日
東京電力福島第一原発の処理水の海への放出をめぐり、中国外務省が水産物などの輸入に対する検疫を強化する考えを示したことについて、野村哲郎農相は7月7日の閣議後会見で、「具体的な内容は聞いていないが、新たな輸入規制の強化となると大変厳しい状況になっていく」と懸念を示した。
東京電力福島第一原発の処理水を薄めて放出する計画の安全性について、IAEAは、国際的な安全基準に合致しているとする包括的な報告書を公表したが、中国外務省幹部は5日、放出した場合、海産物などの検疫を強化するなどと述べて、輸入規制を強化する可能性を示唆した。
こうした動きについて、野村農相は「日本産の食品の安全性は科学的に確保されているという立場に基づいて現行の規制の撤廃を求めるとともに、さらなる規制の強化を行わないよう働きかけている」とこれまでの政府の立場を説明。そのうえで「そういう中で新たな輸入規制の強化となると、日本としても輸出に力を入れているので大変厳しい状況になっていく」と述べ、懸念を示した。
ただし、具体的な内容は聞いていないとして、今後の動向を注視する姿勢を示した。
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