女性の農業参画 機械化やIT活用必要 農水省の意識調査2023年8月3日
農林水産省は7月末に農業における女性活躍に関する意識・意向調査結果を公表した。農業経営と家事や育児、介護などのパートナーとの分担について「適正な分担」と思う割合は65.9%だったが、バランスの取れた農業経営への関わり方を実現するには機械化やITの活用など「農作業の省力化」が必要との回答がもっとも多かった。
調査は個人経営体の女性農業者1693人、男性農業者1842人と団体経営体811経営体から回答を得た。
女性農業者の農業経営への関わり方は「共同経営者として関わっている」が33.0%ともっとも多く、次いで「パートナーやその親族等が経営を行い、必要に応じて意見を述べている」が25.0%だった。
女性農業者の農業経営への関わり方は「生産部門」が93.3%、次いで「会計部門」32.8%、「販売部門29.9%だった。
行政やJAなどの農業関係機関が開く研修会への参加は「参加したことがある」が35.6%、「ない」が58.8%と参加したことがないが6割を占めた。
また、農業者グループの活動への参加は「参加している」が25.8%、「参加していない」が71.1%だった。研修会やグループ活動への参加率が低いが、その理由は「参加したいと思わない」が31.4%ともっとも多かったが、「参加しづらい」も28.4%あった。参加しやすくするにはどんな取り組みが有効かを聞いたところ「行政からの声かけ」もっとも多く43.3%だった。次いで「グループ活動や研修参加中の農作業サポート」37.65、「男性に対する女性活躍の理解促進」25.7%の順だった。
農業経営と家事・育児・介護の分担について聞いたところ、女性農業者がおもに担当しているものは「家事」が全体の90.8%でもっとも多く、次いで「農業経営」47.3%だった。
パートナーとの分担について「適正だと思う」と回答した女性農業者は65.9%、「適正な分担だと思わない」は26.4%だった。適正な分担だと思わないと回答した女性農業者が、もっとも減らしたいことは「家事」が57.7%でもっとも多く、次いで「農業経営」19.5%だった。
女性農業者がバランスの取れた農業経営への関わり方を実現するための有効な取り組みは「農作業の省力化(機械化・ITの活用)」が45.0%ともっとも多く、次いで「農業技術・経営等に関する知識の習得」41.5%だった。
「家事・育児・介護などに関する家族間の役割分担の適正化」は38.2%だった。
団体経営体で女性が「働いている」のは75.2%だった。女性の雇用拡大のために取り組みたいことは「働きやすい勤務形態(フレックスタイム制、産休・育休制度、休みのとりやすい勤務体制)の整備」61.8%、「福利厚生施設の充実」42.2%に次いでアシストスーツなど「農作業のきつさを軽減する工夫」38.2%となった。
女性が働きやすい環境整備に向けてもっとも優先して確保したい施設は「女性専用トイレ」が27.8%でもっとも多く、次いで「休憩室」15.8%、「女性専用更衣室」13.8%、「高さを調整できる作業台」7.1%だった。
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