鳥インフル感染の殺処分抑制へ 農場の「分割管理」導入へ指針見直し 農水省家畜衛生部会2023年8月31日
昨シーズンの鳥インフルエンザの発生が過去最多に上ったことを踏まえ、農水省の家畜衛生部会は8月31日、発生時の影響を緩和するため養鶏場を複数の管理区域に分ける「分割管理」の導入に向けた家畜伝染病に基づく指針の見直し案を了承した。農水省は近く指針の見直しとともに分割管理に関するマニュアルを策定し、都道府県などに通知する方針。
鳥インフルエンザは昨シーズン26道県で発生し、鶏などの殺処分は約1771万羽に上り、発生件数、殺処分数ともに過去最多となった。養鶏場で感染が確認されるとすべての鶏が殺処分の対象となるため、大規模農場では100万羽以上が殺処分されるケースが相次ぎ、影響を緩和するため農場内の管理区域を分ける「分散管理」の導入を求める声が上がっていた。
こうした状況を踏まえて農水省は、家畜の所有者が農場の管理区域の設定や人の動線の見直しなど分割管理について都道府県に相談することや、相談を受けた都道府県が必要な指導を行ったり、必要に応じて農場の分割管理を提案したりできることを、飼養衛生管理指導等指針に盛り込む見直し案を示し、同日の家畜衛生部会で了承された。
また、合わせて農場の分割管理マニュアルも示した。この中では、人や物の動線を分けることで農場を分割し、発生時の殺処分の範囲を限定することが可能であることを示し、生産者は管理区域ごとに柵を設けて明確に区分することや、農場ごとに作業者を分けること、家畜の導入時に一定期間、他の家畜と隔離することなどが盛り込まれている。
農水省によると、昨シーズンの発生状況を踏まえて大規模農場のある県を中心に、農場の分割管理の導入に関して全国の都道府県には数十件もの相談が寄せられているという。
農水省は部会の決定を受けて近く指針を改正するとともに、9月上旬に向けてマニュアルを作成し、都道府県に通知する方針。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































