安全装置搭載、先駆けで安全対策促す 井関農機2023年8月31日
井関農機は、他社に先がけて農機に搭載した安全装備などを中心に、8月23日、農水省が主催した令和5年秋の「農作業安全確認運動推進会議」の中で農作業安全への取り組み内容を報告した。
農作業の死亡事故の多くが農業機械作業中の事故によることを重く見て、井関農機は、2023年6月に発売した乗用型トラクターに2つの安全装備を搭載した。
1つ目は、「シートベルトリマインダー(シートベルト非着用時の警報装置)の装備」。農業機械作業の事故原因別では、機械からの転落・転倒が多く、シートベルトの装着を促す機能の搭載が急務と考え、これを搭載した。
2つ目は、「シートスイッチ」。乗用型トラクターの「回転部への巻き込まれ」も死亡事故の主要因の1つであることから、正しい位置に着座していない場合、数秒後に動力伝達を遮断するシートスイッチを搭載した。
EUではこれらの装備が義務化されているが、国内メーカーが製造する国内向けの型式ではこれが初となる。いずれも農研機構が行う農機具の安全性検査項目に2025年度から盛り込まれる見込みの装備を、他社に先駆けて搭載した。
他に、ホームページの「安全な農作業のために」という特設サイトでは、自社製品の機種ごとに農作業の場面に応じた操作の注意点や、点検整備のポイントを発信。自社で手がけた営農ソリューション・ポータルサイト「Amoni(エーモニー)」を活用した農機安全WEBセミナーの開催事例や、農業女子プロジェクトと題し、女性農業者を対象とした農機取り扱いセミナーの開催事例を紹介した。さらに、就農初心者にも理解が深まるよう、農機を簡単に取り扱えるマニュアル「農機のキホン~starter GUIDE~」を作成し、公開している。
井関農機担当者は「他社に先駆けた安全装備の搭載は、社一丸となって積極的に取り組んだ」と締めくくった。
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