水稲の農作業受託料金はやや上昇 農業臨時雇賃金は上昇傾向 全国農業会議所調べ2023年9月13日
(一社)全国農業会議所は9月8日、「令和4年農作業料金・農業労賃に関する調査結果(要旨)」を公表した。
本調査は、2022(令和4)年12月31日時点における全市町村農業委員会の区域(1,697 地区)を対象に行ったもの。
水稲の農作業受託料金は、個人農家・生産組織とも上昇
水稲の基幹3作業受託料金は、個人農家で「耕起から代かきまで」が1万5646 円(増減率 1.0%)、「機械田植」が7941 円(同 0.8%)、「機械刈取」は1万8144 円(同 0.8%)となった。生産組織では、「耕起から代かきまで」が1万7015 円(同 0.3%)、「機械田植」が8514 円(同0.6%)、「機械刈取」は1万9265 円(同 0.6%)となった。
基幹3作業の受託料金の年次推移をみると、個人農家・生産組織ともに近年は下降傾向だったが、本年はやや上昇した。
個人農家の農作業受託料金を地域ブロック別にみると、「耕起」、「代かき」、「機械田植」、「機械刈取」、「乾燥・調製」で「近畿」が最も高くなっている。「育苗(稚苗)」は「中国」、「防除」は「四国」が最も高くなっている
農業臨時雇賃金の一日あたり支払総額は上昇傾向、男女の賃金差が縮小
稲作、畑作、畜産等の全般にわたる農作業一般の農業臨時雇賃金のうち、熟練度ないし強度を求められる「専門作業」の1日あたり支払総額は「男」が 9460 円(増減率 0.0%)、「女」が8643 円(同 0.4%)。また、熟練度や強度を必要としない「一般・軽作業」は「男」が 7770 円(同 1.7%)、「女」が7470 円(同 2.2%)。地域ブロック別にみると、「一般・軽作業」では、男女ともに「近畿」が最も高く、次いで、男は「東海」、女は「北海道」の順となっている。
年次推移をみると、農業臨時雇賃金は男女ともに上昇傾向であり、2022(令和4)年は「専門作業」の男を除き最高額となった。また、男女の賃金差は縮小傾向にある。
標準料金・標準賃金等を定めている市町村は6割
農作業受託料金・農業臨時雇賃金等の標準(協定)は、回答した地区の 58.6%で定められている。定めている機関(複数回答)は、「市町村・農業委員会」が 553(64%)で全体の過半数を占め、関係機関の中で最も多い。次いで「農協」が 289(34%)、「生産組織等」が 127(15%)となっている。過去5年間においても、「市町村・農業委員会」が最も多い。
なお、本紙の取材に対し、同会議所の農地・組織対策部の担当者によれば「料金及び賃金の標準料金は、東日本は市町村・農業委員会、西日本は農協が示すケースが多く見られる。いずれも全国的な人手不足や最低賃金の上昇などから、今後は農作業料金も『上昇』から『上昇傾向』に転じる可能性がある」という。
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