脱炭素社会実現に向け、電源開発と資金使途不特定型シンジケートローン契約を締結 農林中金2023年9月29日
農林中金は9月29日、JAバンク会員である信連および農協の計8団体と協調し、電源開発(J-POWER)との間でトランジション・ローン(資金使途不特定型:以下、TL)によるシンジケート・ローン契約を締結した、と発表した。
本シンジケート・ローンは農中信託銀行がアレンジャーを務めた。
TLは、脱炭素社会の実現に向けた長期的な戦略を策定したうえで、GHG(温室効果ガス)排出量の削減に取り組む企業に対し、その取組み支援することを目的としたファイナンス手法。借り手の経営戦略に基づくサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下、SPTs)を設定し、貸付条件をSPTsの達成状況に連動させることで、借り手に目標達成に向けた動機付けを促進し、持続可能な事業活動および成長を支援していくことをめざす。
電源開発は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けたアクションプランやロードマップを公表。「CO2フリー電源の拡大」「電源のゼロエミッション化」「電力ネットワーク安定化・増強」の3つを柱として、電力の安定供給を維持しながらカーボンニュートラルの実現に取り組んでいる。その中で「J-POWERグループ国内発電事業CO2排出量を2025年度までに920万t、2030年度までに2250万t削減(2013年度比▲46%)する目標設定を踏まえ、この目標をSPTsに設定した。
農林中金は、中長期目標において、サステナブル・ファイナンスの新規実行額を2030年度までに累計10兆円とする目標を掲げるなど、サステナブル経営の実践に取り組んでいる。こうした中で電力業界へのトランジション支援は産業全体のGHG排出量削減に資するものであり、農林水産業との関連が大きい気候変動問題の解決にも繋がるものと評価し、JAバンク系統による本シンジケートローンを通じて電源開発の取組みを後押しする。
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