24年産米 適正生産量669万t 23年産目標と同水準 米の基本指針示す 農水省2023年10月19日
農林水産省は10月19日、食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開き、「米の基本指針」を示した。
農水省内で開かれた食糧部会
基本指針は23年産主食用米の生産量や今後の需要量見通しなどを踏まえて7月に策定した指針を変更した。
23年産米の主食用生産量は9月25日の予想収穫量に基づき669万tから662万tに変更した。全国の作況指数は100だが、畜産の盛んな東北や九州でWCS用稲への作付け転換などが進み、主食用の作付け面積が9000ha減少、当初の適正生産量としていた669万tを約7万t下回る見込みとなった。
一方、需要量は一人当たりの消費量に人口を掛けて推計した結果、682万tと7月の時点より1万t上方修正した。その結果、来年(24年)の6月末の民間在庫量は177万tとなる見込みだ。
そのうえで24年/25年の主食用米の需給見通しを示した。
需要量は総人口の減少と1人当たりの消費量トレンドをもとに推計した結果、671万tと年間10万t程度の需要量減少が続く見込みとなった。
これをふまえて引き続き各産地で需要に応じた生産・販売を行っていく必要があるとして、24年産の主食用生産量は需要量見込みとほぼ同水準となる669万tとした。23年産の適正生産量と同水準とした。
西日本ではWCS用稲への作付け転換などが進み、主食用米の作付けを増やした県はないが、東北や関東では宮城、秋田、福島、栃木、千葉、埼玉、北陸では新潟、石川で主食用作付けを増やした。
食糧部会では、生産者の高齢化や農業者人口の減少で生産力の減退を懸念する指摘も出たが、農水省は「需要に応じて生産を増やす県もあり、669万tは実現可能ではないか」との考えを示した。
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