麦・大豆・飼料作物の増産 共乾施設整備への支援を JAグループの政策提案2023年10月20日
JA全中は、10月20日の自民党農業基本政策検討委員会で23年産以降に向けた水田・畑作農業対策に関する政策要請を行った。
10月20日午前、自民党本部で開かれた農業基本政策検討委員会。
JA全中は10月5日の理事会で「令和6年度水田・畑作農業対策に関するJAグループの政策提案」を決めた。
自民党の会合では政策提案の重点事項を宮田幸一JA全中水田農業対策委員長と管野啓二副委員長が要請した。
政策提案では中長期的な視点に立った水田・畑作農業対策の確立を第一に掲げている。
主食用米の需要が毎年10万t以上のペースで減少していく可能性があるなか、▽水田機能を維持しつつ麦・大豆など畑作物の作付けが定着している水田については水稲とのブロックローテーション促進、▽畑作物の作付けが定着している水田について畑地化を促進、など食料自給率の向上を意識した計画的・戦略的な取り組みを支援するよう求めている。
また、水田収益力強化ビジョンの策定は、25年3月までに市町村が策定する「地域計画」と連動させることや、JAの地域農業振興計画をふまえた一環した将来像となる取り組みへの支援も求めている。
2つ目は輸入依存穀物の増産による農地維持・所得確保を通じた活力ある産地づくりへの支援。宮田委員長は「食料安全保障の観点からも海外からの輸入に過度に依存している小麦、大豆、飼料用とうもろこしなどの増産が必要だ。そのためにも輸入依存穀物の増産に向けた施策の拡充や畑地化促進事業の単価維持、予算規模拡大などの支援を」と要請した。
また、国産飼料の増産が課題となっているが「子実用とうもろこしなどの飼料作物にゲタ対策(直接支払交付金)のような支援がない。生産者の作付け意欲を喚起するような施策の検討を」と要請した。
3つ目は備蓄米制度の現行水準の維持。不安定な海外穀物情勢をふまえた食料安全保障の強化に資するよう、備蓄米の現行水準の100万t程度を堅持するとともに、主食用米の需給に影響を及ぼすような見直しはしないことを求めている。
4つ目は麦・大豆など輸入依存穀物の乾燥調製・保管・流通体制整備への支援。宮田委員長は「全国的に乾燥調製施設など共同利用施設が老朽化が問題になっている。現状でもさまざまな政策支援があるが、現場ニーズに対応した要件の見直し、高騰する建設コストに対応できる補助率、上限額の見直しが必要だ」と訴えた。
管野副委員長は24年産の取り組みについて要請。水田活用の直接支払交付金の万全な確保と、交付対象水田は5年に1回の水張りが必要なことを現場にさらに説明することや、飼料用米について専用品種に支援が重点化されたことを周知するとともに、専用品種の種子確保への支援も求めた。
そのほか高温障害や渇水などの対策として高温耐性品種への切り替えや
水利施設の整備も含めた支援も要請した。
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