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畑作物の本作化 米粉利用拡大、和牛の需要拡大 補正予算重点事項示す 農水省2023年10月25日

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農林水産省は10月25日の自民党総合農林政策調査会・農林部会合同会議に2023年度補正予算重点事項を示した。項目だけで予算額は今後示す。

自民党本部の会合であいさつする宮下農相自民党本部の会合であいさつする宮下農相

会合には宮下一郎農相も出席。

江藤拓総合農林政策調査会長は「大臣にこの会議に来ていただいたということは極めて思いが強いことの現れだと思っている。われわれも一緒になってしっかり確保したい。さまざまな物材費も上がり、生産、物流の現場、そして国民生活も厳しいなかで補正予算に対する期待は極めて大きいものがある。何に重点を置くべきか、どこに新しく取り組むべきか意見をいただきしっかり予算に反映させ大臣を押し上げて獲得していきたい」とあいさつ。

宮下農相は「今回、農林水産大臣を拝命したことはうれしくやりがいを感じている。足元では補正予算もあるが、来年の通常国会では四半世紀ぶりに食料・農業・農村基本法を大改正するという大きなテーマもある。党としっかり連携して農政を前に進めていきたい」と話した。

重点事項は▽食料安全保障の強化に向けた構造転換対策、▽物価高騰等の影響緩和対策、▽総合的なTPP等関連対策大綱に基づく施策の実施など。

食料安保強化では、海外依存度の高い麦、大豆、子実用トウモロコシの導入定着のための水田の畑地化と畑作物の定着までの一定期間の支援や、、加工・業務用野菜の国産シェアを拡大するためサプライチェーンの強靭化に向けた農業機械の導入を支援する。

また、米粉の特徴をいかした商品開発・製造、製粉企業の機器の導入などを支援する。

生産資材の国内代替に向け、たい肥等の高品質化、ペレット化を必要な施設などの導入支援、国産飼料の生産・利用拡大のための耕畜連携、飼料生産組織の規模拡大、中山間地域での地域ぐるみの取り組み支援などを挙げている。

生産者の急減に備えた生産基盤の構造転換対策としては、担い手への機械・施設の導入を支援するほか、農業支援サービス事業体の新規参入や他産地への展開を支援する。
物価高騰の影響緩和対策では施設園芸などでの燃料価格高騰対策として、農業者と国で基金を設けて基準額を超えた場合に補填金を交付する。

また、物価高騰にともなって需要が減退した和牛肉の需給改善を図るため、和牛肉の新規需要開拓、消費拡大やインバウンド需要の喚起を支援する。

TPP関連対策では輸出産地・事業者の育成、オールジャパンでのマーケットイン輸出の取り組み強化などを挙げている。

酪農対策では乳用牛長命連産性向上緊急支援事業として、従来の配合飼料多給による乳量偏重から長命連産性の高い牛群構成への転換を図るために取り組みを支援する。

生乳需給改善と酪農経営の安定化に向け脱脂粉乳の在庫低減と需要拡大も支援する。

そのほか農業の生産基盤強化策として、「高温障害等急激な気候変動への対応」として、高温環境に適応した栽培体系への転換に向けた高温耐性品種や栽培技術の導入などの支援を行う。

会合では米粉の利用拡大に加えて、牛乳乳製品の利用拡大策の必要性を求める意見や、水田の畑地化に加えて汎用化も重要だとする意見、子牛価格が下落していることから離島での和牛繁殖農家への緊急支援を求める声もあった。

また、今年の猛暑と干ばつで水田に深い亀裂が入っているほ場があり、その修復を来春まで延ばすと田植え時期が遅れるとして、この秋に修復工事を実施する支援を求める声もあった。

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