致死率高いアフリカ豚熱 ウイルス侵入を「全力で阻止」坂本農相2024年2月9日
坂本哲志農相は2月9日の会見で「明日から春節が始まる。観光客の増加が見込まれるが、アフリカ豚熱が一度侵入すれば、わが国の畜産業が大打撃を受けることになる」として水際検疫の徹底など「ウイルスの持ち込みを全力で阻止していく」と強調した。
アフリカ豚熱は豚熱に似ているが病原性は強く、全身で出血し致死率が高い伝染病だ。ワクチンや治療法はない。ウイルスは環境耐性を持ち、食肉や死体でも長期に感染性を持つ。野生イノシシが感染した事例では死体対策が極めて重要になる。
2018年8月に中国でアジア初の発生が確認され、今年1月時点ではアジアの19か国・地域で発生し、東アジアでの未発生は日本と台湾のみとなっている。
韓国では2019年に発生し飼養豚では40例が確認され、さらに昨年12月には釜山で野生イノシシの感染と、1月には日本に向かうフェリーターミナルに近い場所でも野生イノシシでの感染が確認された。
坂本農相は「まず国内に侵入しないよう水際検疫を徹底的に強化していくことが重要だ」と会見で強調した。
具体的には▽肉の入った食品を国内に持ち込まない、▽肉の入った食品を野外に捨てないことを徹底し肉類に付着したウイルスを侵入させない。
また、人に付着したウイルスを侵入させないため、空海港では靴底消毒マットの設置、航空会社や船舶会社と協力して機内等でのアナウンスなどで注意喚起を実施している。
農林水産省は韓国からすべての船舶と航空便で家畜検疫官による検査を実施している。航空便には検疫探知犬の活動回数も増やす。
坂本農相は「ウイルスの持ち込みを全力で阻止していく」と話した。
海外からの旅行者向けに「肉を含む食品は野外で絶対に捨てない」、「家畜がいる施設に近寄らない」、「野生イノシシや罠、柵がある地点に近寄らない」などを記載したポスターも掲示している。
一方、坂本農相は「万が一発生した場合の準備も不可欠だ」とし、農水省は7日に全国の畜産関係者に向けて研修会を実施し、野生イノシシで発生した場合の対応確認や拡大を防ぐための体制づくりや準備を進めている。
アフリカ豚熱の侵入リスクは、かつてないほど高まっており、関係者は危機感を共有することが重要だ。
「国内の飼養豚や野生イノシシが本病に感染しないよう関係者と協力しながら万全の取り組みを行っていく」と坂本農相は話した。
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