地域連携×ICT 京都府福知山市川合地域の獣害対策が「農林水産大臣賞」受賞2024年3月7日
京都府福知山市三和町川合地域が10年以上にわたり地域住民主体で取り組み続けてきたニホンザル対策が、国の令和5年度「鳥獣対策優良活動表彰」において、グランプリにあたる農林水産大臣賞を受賞した。同表彰は、農林水産省が鳥獣被害対策の普及や推進を図ることを目的として行われ、京都府内では初の受賞となる。
2月15日に農林水産省で行われた表彰式(東京都千代田区)
福知山市三和町川合地域は、10年以上前から、地域住民主体の「防除」「追い払い」「捕獲」の3本柱の対策を継続。近年ではICT機器の効果的な活用などにも積極的に取り組み、被害軽減と群れの個体数管理に成功した。
一時期は50頭を超えていた群れを3月現在で約30頭に管理しており、農作物被害額は2020年度の約40万円から2022年度には約2.7万円まで軽減。こうした地域ぐるみの取り組みが評価され、全国から23件の応募があった事例の中から最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。
今回評価された川合地域の住民主体の「防除」「追い払い」「捕獲」の3本柱から成る川合地域のサル対策は、2019年から福知山市も伴走的に支援しており、ICT機器の貸与など地域負担軽減のために連携。福知山市は、2019年度から獣害対策に先進的な知見を持つ兵庫県立大学と連携し、ニホンジカ・イノシシの生息密度推定調査を実施するなど、産学連携による科学的根拠に基づいた獣害対策の推進に取り組んでいる。
2021年度から全国的にも珍しい獣害対策専任の正規職員を配置し、地域密着型の対策支援を行う他、ICT機器等を効果的に活用し、負担軽減を図りつつ地域住民主体の獣害対策を実施するなど、福知山市独自の獣害対策に力を入れている。
鳥獣対策優良活動表彰における評価ポイント
今回の受賞にあたり、川合地域農場づくり協議会代表の土佐祐司氏は「この受賞はひとえに市役所担当課、府中丹広域振興局の御助力と川合地区住民の獣害に対する熱い思いによっていただけたものと感謝している。昨年度からは"楽しく獣害対策"をテーマに、放任された柿をキャンプ場利用者に里山体験活動として収穫してもらうことにより、餌場を無くす取り組みも行っている。獣害対策を長期的に継続していくためには地域づくりの一環として楽しみながら取り組む姿勢が重要だと感じており、今後も継続していきたい」とコメントしている。
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