子実用トウモロコシ 生産引き上げ困難 坂本農相2024年4月26日
坂本哲志農相は4月25日の衆院農林水産委員会で子実用トウモロコシについて「その生産を今後引き上げることは現実的に困難であると思っている」と思っていると述べた。
立憲民主党の神谷裕議員の質問への答弁。
坂本農相は子実用トウモロコシについて飼料として効率的なエネルギー源であり、ほぼすべての畜種に利用できると評価しながらも耕地面積に制約があることや、子実トウモロコシ栽培に不向きな湿潤な気候であり、保管のために乾燥施設などが必要になることなどから「その生産を今後大きく引き上げることは現実的に困難だと思っている」と述べた。
現在、輸入トウモロコシは1100万tで国産は1.3万tにとどまっている。農水省によると、1TDN(可消化養分総量)㎏当たり国産では86円、輸入品は55円(2023年)だという。
神谷議員は質問で子実用トウモロコシには需要があり、需要に応じた生産を進めることになることや、穀物をめぐる国際環境の変化に対応した飼料国産化の促進、さらに大豆等との輪作体系の構築と労働時間が少なく済み省力化につながるなどのメリットを挙げ生産振興の必要性を強調した。
これに対して、坂本農相は飼料には低コスト生産が必要であるとの認識を示し、「農水省としては輸入品に対して競争力があり、より栄養価に優れた青刈りトウモロコシの拡大を推進していくべきと考えている」と答弁し、耕畜連携、コントラクターなど飼料生産組織の運営の強化が重要だと述べた。
子実トウモロコシは北海道のほか、本州でも取り組みが生まれ、大規模化する水田経営のなかで耕畜連携と省力化、輪作体系の確立をめざしている地域もある。生産振興に向けた今後の政策議論が注目される。
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