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万全の予算確保 適正な価格の法制化求める JAグループの政策提案で全国大会2024年5月10日

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JA全中と全国農政連は5月10日、東京都内で令和6年度食料・農業・地域政策推進全国大会を開き、出席した与党国会議員に政策提案を行った。

政策推進全国大会

会場には800人が参加したほか、オンライン中継に約4000名が視聴した。
大会ではJA全中の山野会長が9日の全中理事会で決めたJAグループの政策提案を訴えた。

柱は▽食料安全保障の確保に向けた施策の具体化、▽農業の持続的な発展と農村の振興、▽品目別対策、▽災害・感染症等に強い農業づくり対策、▽JAグループなど関連団体と地方公共団体との連携の後押しの5つ。

山野会長はとくに食料安保の確保に向けて基本政策を確立し、その推進のために万全な予算の確保と次期基本計画で食料自給率目標などを適切に設定し、その達成に向けた各種施策の着実な実行を求めた。

また、適正な価格形成の実化に向けては速やかな法制化を求め、各産地で老朽化している共同利用施設の更新対策なども強調し、「施策の具体化と着実な実践に向けて政府与党と力を合わせて総力を挙げて取り組む」と述べた。

これを受けて自民党の江藤拓農林政策調査会会長は「5年間を集中期間とした農政転換の期間として党を挙げて行動する」と話し、予算拡充などを図る考えを示した。

自民党の森山裕総務会長は法制化が焦点になっている適正な価格形成の仕組みについて「次期基本計画を実施する際、法律に基づく制度が動き出すべきだと考えており、その検討を加速している。適正な価格とは農家が再生産に意欲を持てる価格」と述べ、来年3月末にも閣議決定される基本計画の実施をにらんで法制化を急ぐ考えを示した。
公明党の稲津久農林水産活性化委員会会長も万全な予算確保をめざすとした。

大会ではJA宮崎中央会の栗原俊朗会長が意見表明。7割も所得が減った畜産の窮状を訴えるとともに、適正な価格形成の仕組みづくりは「全国の生産者が期待している」と訴えた。

◎与党代表者あいさつ

【江藤拓自民党総合農林政策調査会会長】

江藤拓自民党総合農林政策調査会会長

改正基本法案について衆院本会議での代表質問を行い、2つ良いことがあった。

1つは、岸田総理が予算を増やすとしっかり答弁したことだ。言ったからにはやってもらう。後はどれだけ増やすかという話だ。私は闘いだと思っている。国を守るために43兆円の防衛予算を組むことに異論はない。しかし、食を守ることに日本人はもう少し真剣に考えなければならない。いろいろなものを輸入しているが、海上輸送が99%。もし海上封鎖が起きたらすぐに日本人は飢えてしまう状況だ。今の農地面積では日本人を食わせることは難しい。

この状況を国民と共有しこれを打破できるような予算を確保したい。この5年間を集中的な農政転換をする期間として党を挙げて行動していく。

もう1つは適正な価格形成について。総理は法制化すると宣言した。困難であっても総理が言ったからにはやらねばならない。適正な価格とは何か。誰にとって適正なのか。われわれはまずは作るところ。再生産がしっかり担保されるような適正な価格形成をめざせる法制度の整備に向けてもう党も動き出している。団体の意見もしっかり聞きたい。

共同利用施設は大変大事だ。農業従事者が30万人に減るかもしれないという時代においてはITなどを取り入れた先進的な設備がなければ農家の負担が減らず農業は守れない。強い農業づくり交付金などの予算もしっかり確保しなければならない。党内でどの分野にどれだけの予算がどうして必要なのか、5年先の目標も示し、しっかり理論立てをしていきたい。

農家の過去一年の所得は一昨年にくらべてどれだけ減ったか。惨憺たる数字だ。このことを消費者にも分かってもらいたい。苦労ばかりで未来がないのでは、次の世代にこの産業は引き継げない。農業が選ばれる産業にならなければ、食料自給率も上がらないし食料安全保障の確立もできない。
品目別の対策も今の時代にあった制度変更をしなければならない。現場の意見を取り入れて予算拡充を前提に議論していきたい。

JAは組合員のため地域のために存在している協同組合としての理念をしっかり共有したい。JAが廃れてしまったら未来に日本の農業はあるのか。JAのような組織が全国にあり農家の方々と日々顔を合わせて話をし、その声が国政に届くというかたちをしっかり守っていかなければ日本の未来は厳しいと思っている。ともに全力を挙げてがんばっていきたい。

【森山裕自民党総務会長・総合農林政策調査会最高顧問】

森山裕自民党総務会長・総合農林政策調査会最高顧問

わが党の政策集団の政治資金問題で政治不信を引き起こしていることについてお詫びを申し上げる。信頼を回復するためにも政策対応に今まで以上に邁進していかなければならないと思っている。
食料安保の強化は未来のわが国を考えた場合、待ったなしの最重要課題の一つである。

改正基本法案では国内生産増大を基本とする理念は維持しつつ、将来を見据え適正な価格形成、多様な経営体、環境負荷の低減なども盛り込んだ。

とくに合理的な価格形成の実現に向けては、次期基本計画を実施する際、法律に基づく制度が動き出すべきだと考えており、その検討を加速している。適正な価格とは農家が再生産に意欲を持てる価格だと思っている。

改正基本法を踏まえ、とく農地と地域社会の維持に向け施策の拡充を図っていく必要がある。地域農業の将来像である地域計画を核とした施策の構築を図り、多様な農業者の共同の取り組みや、老朽化を迎えている共同利用施設の意欲的更新も強く後押しすべきだ。

そのなかで日本型直接支払いの再構築が重要な課題だと考えている。環境を守ることも大事だが、前提となる農地と地域の維持ができる政策になるよう検討しなければならない。

水田政策は大きく変わるのではないかという前兆が見られる。世界の国々でおにぎりの食文化が進んでいる。米の輸出も確実に伸びてきた。土地改良も含めて政策を進めていけば日本の米を輸出戦略作物として位置づけるときが来るのではないか。そこをしっかり見据えて水田政策を進めていくことが大事ではないか。
そのための大区画化の推進などと直接支払いや、ゲタ対策の見直しと合わせて、水田・畑地維持のための総合的な政策の検討を進めていかなければならない。具体的な提案をいただきたい。

党の食料安全保障委員会の議論は基本法の改正がゴールではない。改正される基本法に沿った施策の具体化や次期基本計画の策定に向けて、さらに議論を深化させていかなければならない。とくに食料安保の強化は単年度で実現することができるわけではないことから、予算の拡充と合わせて集中的に食料安保の強化の取り組みを推進するための予算を確保することが不可欠だ。

【稲津久公明党農林水産業活性化調査会長】

稲津久公明党農林水産業活性化調査会長

国民の生命に直結する食料の安全保障を確立するための基本法改正だ。これまでになく予算を拡充させることが大事だ。

適正な価格の形成は、今後の法整備を前提に農産物、食料品のコストの見える化を具体化してコストが反映できる合理的な価格形成の向けた議論を加速化させる。ご飯1杯25円、ペットボトルの水が1本105円、こうした現実をどう消費者に理解してもらうか。生産者のコストや労力をどう価格に反映させられるか、どう消費者の納得を得るか、取り組みを進める。

生産資材価格高騰に対応した経営安定対策の充実や、農業の持続的発展に必要な強い農業づくり交付金や産地パワーアップ事業交付金における工期設定の弾力化も重要だ。
環境負荷低減を進めるにはその後ろ盾になるような直接支払いの充実も欠かせない。予算の重点化を図っていきたい。

水田・畑作経営安定対策は畑作本格化などで予算を確保し生産基盤の強化を進めていく。また、畜酪の現場の切実な声に応えるために配合飼料価格安定制度の機能の堅持と、生乳需給調整制度の強化も進めていきたい。

需要の高い加工業務用野菜の産地形成は重要だ。果樹栽培技術の支援と合わせて予算を確保していきたい。

JAグループの果たす役割は今後ますます重要になってくる。基幹的農業従事者が激減する見通しもあるなか、スマート農業の導入促進やJAなどによるサービス事業体の参画を進めるのはもちろん、JAグループと地方公共団体の連携もこれまで以上に必要性が増すと考えている。地域の強みを活かす施策を一層期待したい。

【意見表明】
栗原俊朗JA宮崎中央会会長

栗原俊朗JA宮崎中央会会長

31%という数字を聞いて何を思い浮かべるか。これは令和2年を100とした場合の令和5年の宮崎県の畜産農家の所得水準だ。県内の畜産農家約1700戸。この3年間で所得が70%も減った。

肉用子牛、枝肉価格の低迷、飼料価格の高騰、高止まりという危機的な状況のなかで、配合飼料価格安定制度の特例措置や需要創出対策など現場の切実な声を踏まえた対策で何とか生産基盤が維持されている。

子牛価格は少しは明るい兆しは見えてきているが、一方で飼料価格の高止まりは未だに先が見えずに厳しい状況が続いている。

園芸農家でも所得は減少している。生産資材高騰に加え野菜の共同選果施設の人手不足や、宮崎は消費地の遠いことから物流2024年問題など現場では大きな課題をいくつも抱えている。

宮崎ではピーマンでの燃油サーチャージの仕組み導入や物流効率化に向けた取り組みなど課題解決に向けた取り組みを進めているところだが、生産コスト、物流コストの上昇を価格に十分に転嫁できておらず、産地に負担が集中している。

JAは農家組合員と話し合いのもと、消費者に安心・安全な農畜産物を安定的に届けるため収量や品質の向上、流通販売などに工夫を凝らして知恵を絞り努力してきた。しかし、近年の課題は私たちの努力だけで解決できる範囲を大きく超えている。

このままでは営農継続を諦める方も増え、また次の世代の農家組合員が育ってこないのではないかと心配している。

現在、国会で審議されている基本法改正案には私たちの思いが数多く取り入れられた。審議を通じて幅広い国民が食料・農業への思いを深めてもらう機会になればと考えている。JAグループとしても組合員、地域住民に一層の情報発信を続けていく。

改正基本法成立後は、次期基本計画において、施策を具体化するとともに、万全の農業関連予算の確保も求めたい。なかでも適正な価格形成に向けた仕組みづくりについては、全国の農家が大きく期待している。法制化も含めて早期に実現できるよう力添えを願いたい。

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