枝が横に広がらないりんご品種「紅つるぎ」を開発 省力化を促進 農研機構2024年6月12日
農研機構は6月11日、枝が横に伸びにくい円筒形の樹姿となるりんご品種「紅つるぎ」を開発したと発表した。
りんごの栽培は管理作業に多くの人手が必要となるため、需要を満たすためには抜本的な省力化が必要とされている。
今回、農研機構が開発した品種「紅つるぎ」は、海外から導入したコンパクトな円筒形の樹姿となるカラムナー性を持つ系統を母本として、約30年かけて国産の優良品種と2世代の交配を行って育成した。
従来のわい化栽培と異なり、遺伝的にコンパクトな樹姿になる。生食用品種では初の品種となる。
60センチ間隔程度に苗木を植えれば壁状の樹形に仕立てやすく、作業の機械化、スマート農機の導入など省力化によるりんご栽培の生産性の向上が期待される。
育成地(岩手県盛岡市)での果実の収穫期は10月上旬で糖度は14%と高く、糖酸のバランスがいい。果皮の濃赤色で着色しやすい。ただ、果実と枝をつなぐ柄の部分が短いため、着色管理のための玉回し(樹上で果実を回し日当たりの悪い部分に日光を当てることで着色を促す管理)ができないことから、着色が均一とならない果実となる。
「紅つるぎ」は「ふじ」より1本当たりの収量は少ないが、面積当たりの栽培本数を増やすことができるため、面積当たりの収量は慣行栽培に比べて1.5倍になると見込まれている。
農研機構は3月に品種登録を出願した。農水省によると1~2年後に品種登録されるという。農研機構は品種登録後に苗木の提供を開始する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(127)-改正食料・農業・農村基本法(13)-2025年2月1日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(44)【防除学習帖】第283回2025年2月1日
-
農薬の正しい使い方(17)【今さら聞けない営農情報】第283回2025年2月1日
-
2024年の農業就業者は180万人 前年比7万人減 総務省・労働力調査2025年1月31日
-
備蓄米の買い戻し条件付き売り渡しを諮問 農水省が食糧部会に2025年1月31日
-
殺処分対象911万羽 鳥インフルエンザ 国内48例目 愛知県で確認2025年1月31日
-
"人財"育てチームで改革(1) JAみえきた組合長 生川秀治氏【未来視座 JAトップインタビュー】2025年1月31日
-
"人財"育てチームで改革(2) JAみえきた組合長 生川秀治氏【未来視座 JAトップインタビュー】2025年1月31日
-
【世界の食料・協同組合は今】EU環境戦略の後退と戦略的対話 農中総研・平澤明彦氏2025年1月31日
-
【クローズアップ 畜産・酪農対策】生乳需給参加が事業要件 「欠陥」改正畜安法是正へ農水省方針2025年1月31日
-
(420)「いまトラ」をどう見るか【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月31日
-
GI取得「かづの牛」など農産物・加工品6産品 農水省2025年1月31日
-
いちご観光農園「熊本あしきた いちごの森」オープン 「ゆうべに」「恋みのり」食べ放題 JAあしきた2025年1月31日
-
シャキッと甘く 高級かんきつ「甘平」出荷始まる JAえひめ中央2025年1月31日
-
全国の魅力的な農畜産物・加工品が勢ぞろい JA全農が商談会2025年1月31日
-
岩手県から至高の牛肉を「いわて牛・いわちくフェア」2月1日から開催 JA全農2025年1月31日
-
「国産米粉メニューフェア」銀座みのりカフェ・みのる食堂で開催 JA全農2025年1月31日
-
「はこだて和牛」など味わえる「JA新はこだてフェア」2月1日から開催 JA全農2025年1月31日
-
「ニッポンの食」で応援 全日本卓球選手権大会(ダブルスの部)に特別協賛 JA全農2025年1月31日
-
蔵出しミカンの出荷始まる 食味良く大玉傾向 JAふくおか八女2025年1月31日