水稲で斑点米カメムシ類 北東北、北陸、四国の一部地域で多発のおそれ 令和6年度病害虫発生予報第3号 農水省2024年6月13日
農林水産省は6月12日、令和6年度病害虫発生予報第3号を発表した。
向こう1か月の主要な病害虫の発生は、水稲では、斑点米カメムシ類の発生が、北東北、北陸および四国の一部の地域で多くなると予想。麦では、赤かび病の発生が、関東、甲信、東海および四国の一部の地域で多くなると予想されている。
野菜では、オオタバコガの発生が、南東北、関東、北陸、東海、近畿および四国の一部の地域で多くなると予想。果樹カメムシ類の発生が、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国および九州の一部の地域で多くなると予想されている。この他、なしのシンクイムシ類など、地域によっては発生が多くなると予想されている病害虫があると見られる。
各作物の詳細は以下の通り。
◎水稲
・斑点米カメムシ類の発生が、北東北、北陸及び四国の一部の地域で多くなると予想されている。同虫は、多くの種が水田周辺の雑草に生息し、出穂期になると水田に侵入し穂を加害。被害の程度は、出穂期、水田への本虫の侵入量、カメムシの発生種の構成等によって異なるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、水田の観察を行い、適期に防除を実施する。
また、同虫の発生量を抑制するため、水田畦畔の適切な雑草管理を実施する。
・イネカメムシは、斑点米だけでなく、不稔被害も引き起こす斑点米カメムシ類の一種で、近年、発生の増加や減収被害が報告されている。同虫は、他の主要な斑点米カメムシ類と異なり、穂揃い期以降ではなく、出穂期に防除することが重要。今後、活発に活動する時期を迎えるため、同虫の発生が増加傾向にある地域では、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、ほ場での発生状況を注視。収量の確保に向け、効果の高い薬剤による出穂期の防除の実施を検討する。
◎麦
・赤かび病の発生が、関東、甲信、東海および四国の一部の地域で多くなると予想。栃木県、埼玉県、長野県及び三重県から注意報が発出されている。同病は、感染しやすい時期を捉えた防除が重要で、麦の種類ごとに防除時期が異なる。昨冬から今春にかけて気温が高かった地域では、麦の生育が当初の予測よりも早まる可能性がある。都道府県が発表する発生予察情報等を参考に、地域ごとの防除適期を確認して的確に防除を実施する。なお、防除適期に降雨が続く場合は、降雨の合間に防除を実施する。
◎野菜・花き
◎作物共通
・オオタバコガの発生が、南東北、関東、北陸、東海、近畿および四国の一部の地域で多くなると予想。山形県、新潟県および大阪府から注意報が発出されている。ほ場を見回り発生状況に注意しつつ、都道府県が発表する発生予察情報等を参考に、適期に防除に実施する。
◎果樹・茶
◎果樹共通
・果樹カメムシ類の発生が、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国および九州の一部の地域で多くなると予想。群馬県、東京都、富山県、石川県、岐阜県、三重県、滋賀県、大阪府、奈良県および広島県から注意報が発出されている。山林等の越冬場所から離脱した成虫が春の気温の上昇とともに餌を求めて移動し、果樹全般を加害する。同虫の飛来状況は地域や園地により異なるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考にしつつ、園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は、飛来初期から防除を実施する。
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