事業系食品ロス量 削減目標を達成 2022年度 農水省2024年6月24日
農林水産省、環境省、消費者庁は6月21日に2022年度の食品ロス量を公表した。事業系ロス量は削減目標を達成した。
2022年度の食品ロス量は472万tで前年度より51万t減少した(▲9.8%)。
このうち食品関連事業者から発生する事業系食品ロスは236万t(前年比▲43万t、▲15.4%)、家庭系食品ロス量は236万t(▲8万t、▲3.3%)となった。
政府は事業系食品ロス量について、2030年度までに2000度の547万tを273万tへと半減させる目標を掲げていたが、22年度に8年前倒しで削減目標を達成した。
農林水産省によると22年度は新型コロナウイルス感染の影響で外食の営業時間短縮など市場縮小の影響があったものの、4業種(食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業)すべてで前年度より削減しており、事業者の長年の取り組みの成果だと評価している。
とくに食品小売業で賞味期間が「3分の1を超えた商品は入荷しない」や「3分の2を超えた商品は販売しない」といった商習慣の見直しに取り組んだことや、賞味期限のを年月日ではなく「年月」とする表示の推進、需要に見合った販売の推進、店舗での「てまえどり」といった啓発活動などの成果だとしている。
農水省の事業者からの聞き取りによると、「円安で原料が高騰したため余剰発注が少なくなった」(製パンメーカー)、「製造ラインの見直しで商品ラインナップを減らした」(豆腐・油揚げメーカー)、「ITによる需給予測が向上した」(食品卸業者)などの成果が聞かれたという。
一方、家庭系食品ロスは2030年度までに216万tと2000度比で半減させることが目標で22年度では達成できなかった。家庭系食品ロス236万tのうち、未開封の食品が食べずに捨てられる直接廃棄が102万t、食べ残しが100万t、野菜の皮を厚く剥き過ぎるなど食べられる部分が捨てられている過剰除去が33万tとなった。
国民1人当たりの食品ロス量は1日約103gでおにぎり1個のご飯の量(約110g)に近い。年間で約38kgとなる。
消費者庁は食品ロスによる経済損失を初めて推計した。
それよると472万tの食品ロスの経済損失を4.0兆円と推計した。4兆円資産を廃棄していることになる。
一方、食品ロスにより温室効果ガスの排出量はCО2換算で1046万tと推計した。ロスとなった食品の製造で1000万t以上の温室効果ガスを排出したことになる。
家庭部門での用途別CО2排出量は「照明・家電製品等」7510万t、「給湯用」3810万t、「暖房用」3080万tで次いで食品ロスによる排出となる。
日本の食品ロスの状況
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