泉大津市と旭川市が農業連携 全国初「オーガニックビレッジ宣言」2024年7月19日
大阪府泉大津市と北海道旭川市は7月11日、全国初の“生産地”と“消費地”の2者間で「オーガニックビレッジ宣言」を行った。みどりの食料システム戦を踏まえ、生産と消費の両面から環境に配慮した農業の推進を図る。
オーガニックビレッジ宣言式に臨んだ泉大津市の南出市長(左)と旭川市の今津市長
泉大津市は、「市民の健康増進」「食糧危機への備え」および「国内の農業の持続的発展」の観点から、2023年3月に「安全・安心な食糧の安定的確保に関する構想を策定し、農業連携先として同8月に旭川市と農業連携協定を締結。学校給食での旭川市産米の活用連携を始めた。
一方、旭川市では、みどりの食料システム戦略を踏まえ、地域ぐるみで有機農業を推進。環境に配慮しながら旭川ブランドの確立・安定的な生産に繋げ、農業従事者の減少や遊休農地の解消、農家の収入の向上などの農業課題の解決に取り組んでいる。
このほど、生産地と消費地が直接「顔の見える関係性」でつながり、双方にとっての地域課題の解決が図れる共存共生の関係性を構築するとともに、「人」や「環境」に配慮した有機農業を推進し、日本の農業を持続的なものにするため、両市合同の「オーガニックビレッジ宣言」に至った。
11日に行われたオーガニックビレッジ宣言式後は、旭川市の有機米が提供されている泉大津市内の小学校を訪問し、旭川市の生産者から子どもたちへ有機で作られた米の魅力について説明した。
今後は、泉大津市の子どもたちが旭川市へ農業体験のために訪れ、食や有機農業について学ぶ「グリーンツーリズム事業」をはじめ、泉大津市内の大規模イベントでの旭川市産有機農作物のPRや、旭川市内における有機農業の拡大など「旭川市×泉大津市」による農業連携のモデルケースを創出し、有機農業を推進する。
泉大津市内の小学校で給食を視察する生産者でJAあさひかわの石坂理事
今回の宣言にあたり、旭川市の今津寛介市長は「今回の宣言は、旭川市の有機農産物の販路が、泉大津市を中心とした関西圏域へ広がることが期待できる。これを機に、有機農業に取組む農業者が増え、旭川の農業の力を更に高め、生産者の所得向上に繋げていきたい。今後もさらなる食の交流、BCPなどの両市の連携、グリーンツーリズムなどを通じた市民同士の交流も進めたい」とコメント。また、泉大津市の南出賢一市長は「都市部が安定した販路として農山村地域に働きかけ、双方の課題を解決できる共存共生の関係性を構築することが重要。今回の宣言をきっかけに、旭川市と密な連携を図り、子どもたちにより安全で美味しい給食を届けるとともに「生産地×消費地」を繋ぐオーガニックブリッジを実現し、本取組みが農業連携のモデルケースとして全国各地へ広がることで、日本の持続可能な農業に貢献していきたい」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(150)-改正食料・農業・農村基本法(36)-2025年7月12日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(67)【防除学習帖】第306回2025年7月12日
-
農薬の正しい使い方(40)【今さら聞けない営農情報】第306回2025年7月12日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 茨城県2025年7月11日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月11日
-
【注意報】果樹に大型カメムシ類 果実被害多発のおそれ 北海道2025年7月11日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 福島県2025年7月11日
-
【注意報】おうとう褐色せん孔病 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】出会いの大切さ確信 共済事業部門・全国共済農協連静岡県本部会長 鈴木政成氏2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】農協運動 LAが原点 共済事業部門・千葉県・山武郡市農協常務 鈴木憲氏2025年7月11日
-
政府備蓄米 全農の出荷済数量 80%2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA加賀(石川) 道田肇氏(6/21就任) ふるさとの食と農を守る2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA新みやぎ(宮城) 小野寺克己氏(6/27就任) 米価急落防ぐのは国の責任2025年7月11日
-
(443)矛盾撞着:ローカル食材のグローバル・ブランディング【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月11日
-
【2025国際協同組合年】協同組合の父 賀川豊彦とSDGs 連続シンポ第4回第二部2025年7月11日
-
米で5年間の事前契約を導入したJA常総ひかり 令和7年産米の10%強、集荷も前年比10%増に JA全農が視察会2025年7月11日
-
旬の味求め メロン直売所大盛況 JA鶴岡2025年7月11日
-
腐植酸苦土肥料「アヅミン」、JAタウンで家庭菜園向け小袋サイズを販売開始 デンカ2025年7月11日
-
農業・漁業の人手不足解消へ 夏休み「一次産業 おてつたび特集」開始2025年7月11日
-
政府備蓄米 全国のホームセンター「ムサシ」「ビバホーム」で12日から販売開始2025年7月11日