備蓄米放出せず「決断に誤りなし」 坂本農相が退任会見2024年10月1日
坂本哲志農相は10月1日午前の退任会見で8月に米不足となった際、備蓄米の放出を見合わせたことについて「決断に誤りはなかったと思っている」と語った。
8月の米不足について坂本氏は南海トラフ地震情報や台風、インバウンド需要などいくつかの要因が重なったとし、備蓄米を放出するかどうかの「判断も迫られた」と述べ、ただ、放出には2~3週間かかることから「卸業者に全力で米の確保にあたってもらおうと決断した。決断にあやまりはなかったと思っている」とこの間の経過を明かした。
また、備蓄米を放出すると23年産米、24年産新米とが「折り重なってダブつく状況のなかで米問題に混乱を与えたと思っている」と米が過剰となり一転して米価下落となりかねないことを配慮したことも示した。
一方で今回の米不足で「米がこれだけ大事だという理解も(国民に)してもらったと思う。今後、水田の活用も含めた自給率の向上を図っていかなければならない」と水田農業の重要性を改めて強調した。
坂本氏は昨年12月14日に宮下一郎氏の辞任ともなって就任した。
年明けの通常国会に25年ぶりとなる食料・農業・農村基本法の改正案をはじめ、スマート農業促進法など6法案の国会審議に対応するなど「目の回るような忙しさだった」と振り返るとともに、在任中は円安で生産資材価格が高騰するともに、和牛など畜産物価格が低迷した。こうしたなか、次期国会に向けて合理的な価格が形成される仕組みづくりの法案を農水省は準備しているが、「これがうまく機能すれば、農業への若者の参入、食料安保の確立、集落の活性化ができるのではないか」と話した。
新農相には改正基本法と関連法を「しっかり実のあるものにしていただきたい。策定される基本計画に則って一歩一歩前に進め、何よりも若者、女性が就農できる魅力ある農業にしていただきたい」と述べるとともに、能登半島地域は復旧は途上で、出身地の熊本地震からの復興念頭に、「5~6年かかった。しっかり舵取りをしてほしい」と期待した。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(138)-改正食料・農業・農村基本法(24)-2025年4月19日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(55)【防除学習帖】第294回2025年4月19日
-
農薬の正しい使い方(28)【今さら聞けない営農情報】第294回2025年4月19日
-
若者たちのスタートアップ農園 "The Circle(ザ・サークル)"【イタリア通信】2025年4月19日
-
【特殊報】コムギ縞萎縮病 県内で数十年ぶりに確認 愛知県2025年4月18日
-
3月の米相対取引価格2万5876円 備蓄米放出で前月比609円下がる 小売価格への反映どこまで2025年4月18日
-
地方卸にも備蓄米届くよう 備蓄米販売ルール改定 農水省2025年4月18日
-
主食用МA米の拡大国産米に影響 閣議了解と整合せず 江藤農相2025年4月18日
-
米産業のイノベーション競う 石川の「ひゃくまん穀」、秋田の「サキホコレ」もPR お米未来展2025年4月18日
-
「5%の賃上げ」広がりどこまで 2025年春闘〝後半戦〟へ 農産物価格にも影響か2025年4月18日
-
(431)不安定化の波及効果【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月18日
-
JA全農えひめ 直販ショップで「えひめ100みかんいよかん混合」などの飲料や柑橘、「アスパラ」など販売2025年4月18日
-
商品の力で産地応援 「ニッポンエール」詰合せ JA全農2025年4月18日
-
JA共済アプリの新機能「かぞく共有」の提供を開始 もしもにそなえて家族に契約情報を共有できる JA共済連2025年4月18日
-
地元産小粒大豆を原料に 直営工場で風味豊かな「やさと納豆」生産 JAやさと2025年4月18日
-
冬に咲く可憐な「啓翁桜」 日本一の産地から JAやまがた2025年4月18日
-
農林中金が使⽤するメールシステムに不正アクセス 第三者によるサイバー攻撃2025年4月18日
-
農水省「地域の食品産業ビジネス創出プロジェクト事業」23日まで申請受付 船井総研2025年4月18日
-
日本初のバイオ炭カンファレンス「GLOBAL BIOCHAR EXCHANGE 2025」に協賛 兼松2025年4月18日
-
森林価値の最大化に貢献 ISFCに加盟 日本製紙2025年4月18日