【石破政権】水田農業政策の見直しに意欲 直接支払いにも言及 小里新農相会見2024年10月2日
10月1日に発足した石破内閣の小里泰弘農相は2日午前、農林水産省に登庁し就任会見に臨んだ。会見で小里農相は今年度末に見直す基本計画のなかで見直すことになっている水田農業政策について「農業者の所得向上をめざしていくのが最大のテーマ。直接支払いを中心にしながら総合的に意見をうかがいながら(見直し議論を)進めていきたい」と述べた。
小里泰弘農相
石破茂首相は総裁選中に輸出増大も視野に米の生産を増やし、価格下がった場合には政府の直接支払いによって所得を補う農政の必要性を指摘した。
水田農業政策の見直しについて小里農相は水田は「もっとも大事な農業・農村の存続に関わる問題」とし、水田を水田として活かしていくようにこれまで需要を踏まえて飼料用米生産を支援するなどの施策に触れ、「総理も需要に応じた生産自体は否定しておらず、考えの中心にある」との考えを示した。
そのうえで「今回はあらゆる先入観を廃して総合的に農家が意欲を持って農業に従事し、生産を高めていくことができ、所得向上につながる政策をしっかり模索していきたい」と話し、主食用米も対象に含めた直接支払い制度の検討を示唆したほか、「稲作だけでなく全体をしっかり捉えていきたい」と、品目を問わず「どうすれば効果的に所得が向上していくか、現場や党の意見を聞きながら考えていきたい」とも述べた。
現在の水田農業政策は飼料用米や麦・大豆など非主食用米へ重点的に交付金を交付し主食用米の生産を調整し、面積当たりでは主食用米の所得と同程度になるよう単価を決めてきたという経過がある。この骨格を見直すかどうかは明らかではないが小里農相は会見で「今までの概念から脱却」とも話し、「今年度中にしっかり検討していきたい」と強調した。
就任に当たり、鹿児島県の中山間地域の農業地帯で生まれ、実家はもともと農業と林業と紹介、「農政は私にとってライフワーク。政界に入ってからも最大の柱と位置づけてきた。(農相就任は)本望の職務。(担い手の減少や自然災害の多発、国際情勢の変化など)厳しい課題があるなか、農業は正念場。現場の声を大事にしながら、しっかり未来につなげていきたい」と話した。
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