ガザ地区 農地7割が被害 飢餓リスクさらに FAOなど衛星分析2024年10月10日
FAO(国連食糧農業機関)駐日連絡事務所は10月9日、ガザ地区ではイスラエルからの攻撃で農地の約7割が被害を受けているとのFAOの衛星分析結果を発表した。人道的危機と飢餓の危機がさらに深刻化していると警告している。
ガザ地区のハン・ユニスの損壊したビニールハウスと農地。(FAO提供)
ガザ地区の面積は3万6400haで東京23区の種子島とほぼ同じで200万人が住む。
農地は42%を占め1万5000haだが、紛争の継続で9月1日時点で67.6%が被害を受けているという。
これはFAOと国連衛星センター(UNOSAT)が衛星データで分析したもので、被害面積は今年2月の42.6%、5月の57.3%と比べて拡大していることが分かった。
衛星画像からは、土地の破壊、砲撃などで農業インフラが著しく失わなわれていることも分かり、農業用井戸の52.5%に当たる1188基や農業用温室の44.3%に当たる577haが損傷しているという。
そのほか、港は甚大な被害を受け、ほとんどの漁船が破壊されており、95%に当たる1万5000頭の牛が死亡し、ほぼすべての子牛がと殺された。羊の約43%に当たる2万5000頭とヤギの約37%に当たる3000頭が生き残っているとしている。鶏など家禽の生存頭数はわずか1%の約3万4000頭でほとんどは自家消費のための家庭レベルでの生産に限られている。
FAOのベス・ベクドル事務局次長は「ガザ地区の農地の被害規模は前例のないレベルに達している。食料援助だけでは毎日のニーズを満たすことができないなかで、このような農地への被害はガザ地区の飢餓のリスクをさらに悪化させている」と述べ、残された農業を守り、とくに子どもの深刻な飢餓と栄養不良を食い止めるために農業支援が急務だとしている。
9月29日現在でFAOは4400以上の家畜所有者に飼料を提供し、約2400の畜産農家に家畜用医療品を配布した。しかし、他の国連機関や支援団体と同様に検問所での制限で農業支援物資の搬入が制限されているといい、安全や移動の条件が回復次第、FAOはさらに多くの資材を届ける準備をしているとしている。
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