人事2024 左バナー 
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
240930 デザミス SP
日本曹達 231012 PC
JA全中中央SP

農村維持 地域ぐるみの活動に多面的機能支払いへ 企画部会2024年10月17日

一覧へ

来年3月末の新たな食料・農業・農村基本計画の策定に向けて議論している食農審企画部会は10月16日、▽環境の調和のとれた食料システムの確立と多面的機能の発揮、▽農村を振興をテーマに第3回会合を開いた。

【野沢校正済】〈画像 写真〉(野沢)第3回企画部会_1.jpg

農水省で開かれた第3回企画部会、10月16日。

環境と調和のとれた食料システムの確立には、農業生産活動の環境負荷低減が課題の一つとなる。
2022年に施行されたみどりの食料システム法に基づいて認定された環境負荷低減に取り組む農業者は1万7000経営体以上あり、地域ぐるみで取り組む特定地域は16道県30区域となっている。

農水省は環境負荷の低減に向けた検討の視点として、温室効果ガスの排出削減を進めるための農業機械の電化、農地や畜産からの温室効果ガス排出削減、水稲の中干し期間の延長などを示した。化学農薬の使用量低減に向けては、総合防除の実践や、農薬使用を低減させるスマート農機など導入支援などを挙げた。

有機農業の推進ではオーガニックビレッジの拡大と学校給食での有機農産物の活用などを挙げた。
そのほか、環境負荷の低減ではプラスチック被覆肥料の代替技術の開発なども課題としている。

この点について委員の小針美和農林中金総研主任研究員は、被覆肥料は時間をかけて適正に施肥する技術として、開発当時は環境に調和していると位置づけられたことを指摘。「技術への評価は時代とともに変わってくる」として、今後、現場に導入する新しい技術には慎重な評価が必要と提起した。

有機農業を拡大させるにはエリア設定が必要との意見が出た。全国農業会議所の稲垣照哉専務は2050年に有機農業100万haを実現するには「土地利用型農業で取り組みを広げる必要があり、エリア設定が必須」と話し、来年3月までに策定することになっている「地域計画」に盛り込む必要性も指摘した。

日本農業法人協会の齋藤一志会長も農薬のドリフト問題など慣行最栽培とのエリア設定は必要で、さらに有機農業の実践には、農薬や化学肥料が長年使用されていない「耕作放棄地のチャンス」との視点も必要だと強調した。

一方、洪水防止機能など農業の多面的機能については「分かりにくい側面がある」(農水省)として、小学校での教育など国民への理解促進がさらに必要になっている。その理解のもとに多面的機能支払交付金が確保される必要がある。

ただ、多面的機能を発揮するための水路の草刈りや泥上げなど地域の共同活動が人口減少で継続が難しくなっている現実もある。農水省は検討の視点として多様な組織や非農業者の参画の促進、また、集落協定のネットワーク化などの体制づくりが必要とした。

さらに、これまで環境保全型農業直接支払交付金で支援してきた長期中干しや冬期湛水などの取り組みは、今後は地域ぐるみの活動で環境負荷低減を進めていくために、今後は多面的機能支払で支援する考えを示した。

全中の山野徹会長は「地域ぐるみで面的に拡大していくことが必要」だとして農水省が示した新たな対策の実現を求めた。
現場の実態として齋藤一志日本農業法人協会会長は「80代の高齢者が草刈りをしている。危険が伴い若い層の参加が必要」と危機感を募らせた。

その一方、農水省は環境負荷を低減させる農業者の取り組みに対して、2027年度をめどに新たな環境直接支払交付金を創設する。

これについて山野会長は「収入減を補う直接支払い」が必要だとするとともに、消費者がそうした取り組みを通じて生産された農産物の価値を理解して「相応の価格で購入することが必要」で、価格などを見据えた支援水準の検討も求めた。

農村の振興策は、人口の維持とともに関係人口の拡大が重要との視点が基本だ。そのため「経済面」の取り組みとして農泊や農福連携、地域資源のフル活用よる付加価値のある内発型の新事業の創出などを挙げる。また地元の建設業者やIT事業者など農外事業者の農業への参画の促進も課題だ。

農村での暮らしを支える「生活面」での取り組みでは、買い物支援や高齢者見守りサービスなどを担う農村型地域運営組織(農村RМO)の形成が必要だとしている。

農村振興について全国農業会議所の稲垣専務は「不在地主対策」を挙げる。帰省の際の共同作業への参加呼びかけなどによる関係人口づくりと、いずれはUターンにつなげる農地の適正管理への理解促進などが求められるとして、「ふるさと住民登録」の制度化も提起した。

全中の山野会長は地域振興に係る関係省庁の連携による農村振興策の重要性を指摘するとともに、都市農業を「消費者の農業理解の場」として重視することが必要だとした。

大橋弘東大副学長は「儲かる農地と儲からない農地をセットにした広域的な先行事例を集中的にモデルとしてつくり支えることが必要だ」と提起した。

そのほか、今後の議論では基本計画でめざす理念や政策目標を示したうえで、必要な施策を紐づけるという全体像を示すべきだと指摘した。とくに重要な施策として気候変動対策は「すべての施策に横串を通す対策」だとして、気候変動対策と他の施策とのクロスコンプライアンスで施策を組み立てる考えも強調した。
次回は11月6日に「我が国の食料供給」をテーマに開く。

重要な記事

240918・シンジェンタライブラリー:右上長方形SP

最新の記事

DiSC:SP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る