「丸の内から、ニッポンフードシフト。」 産地知ればもっと美味しく フェスで多彩に交流2024年10月22日
10月19~20日、「食から日本を考える。NIPPON FOOD SHIFT FES.東京 2024」が東京丸の内エリアで開かれ、国産農産物の魅力や日本の食の未来をめぐって、多彩な発信と交流が繰り広げられた。
オープニングの締めに、「丸の内から、ニッポンフードシフト!」のコールに合わせこぶしを
主催者、来賓、メインステージ企画登壇者と参加者(10月19日、東京・マルキューブ)
消費者に、日本の「食」と「農」を取り巻く課題を身近なものとして考えてもらうため農水省が展開する国民運動「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」の一環で、千代田区の丸ビル1Fマルキューブと丸の内中通りで、マルシェ、キッチンカー、展示などが行われた。
にぎわうマルシェにはJA全中、JA全農も出店
●JA全中の山野会長もあいさつ
オープニングセレモニーでは、主催者を代表し農水省の山口靖大臣官房総括審議官が「環境・生態系の保全、食の安定供給には、消費者と生産者とが連携しながら行動変容していくことが必要だ」とあいさつした。
来賓あいさつするJA全中の山野徹会長
来賓あいさつに立ったJA全中の山野徹代表理事会長は「JAグループでは国消国産をキーメッセージに、10~11月を国消国産月間とし、さまざまな取り組みをしている。国産農畜産物をぜひ手に取り、食と農を知って支えていただきたい」と呼びかけた。三菱地所コンテンツビジネス創造部の小林京太部長もあいさつした。
●カレー、餃子、おにぎりから
この後、オープニングトークセッション「食から日本を考える。」が開かれ、カレー、餃子、おにぎりをテーマに「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」推進パートナーの企業の方々が、農水省大臣官房政策課食品安全保障室の小宮恵理子国民運動グループ長のコーディネートで話し合った。
ハウス食品取締役の小田川周一食品事業本部長は、「『カレーから日本を考える ハウス食品もニッポンフードシフト』企画を始め、各地の野菜を使ったカレーレシピを提案、バーモンドカレーのTVCMでもアピールした。カレーはカロリーベースで自給率が高い。農家や自治体との連携は大きな気づきを与えてくれた」と話した。
●オリンピック選手村でも
餃子の王将を展開する王将フードサービス取締役の池田勇気執行役員営業企画本部長は「品質の安定、安全安心を考え、にんにくは青森産、皮に使う小麦粉は北海道産など国産食材の使用を進め、こだわりの国産食材のみで『日本ラーメン』も売り出した」と語った。
47都道府県別の餃子の美味しい食べ方をYouTubeで公開した蔓餃苑(まんぎょえん)オーナーシェフのパラダイス山元さんは、「餃子は2018~19年頃から海外に浸透し始めた。中国でも焼き餃子は『日式餃子』として売られ、インバウンドの観光客からも『餃子はどこで食べられる?』と聞かれる。世界に広げたい」と抱負を述べた。現在の部署の前、東京五輪にも携わった小宮さんによると「選手村でも餃子は人気だった」とのことで、農産物の輸出拡大にも期待が持てる。
トークセッション「食から日本を考える。」で餃子の魅力を熱く語る蔓餃苑オーナーシェフのパラダイス山元さん(右)。隣は王将フードサービス取締役・執行役員営業本部長の池田勇気さん
●「ひよこの顔」に苦労
おむすび処ほんのり屋と組んでヴィレッジヴァンガード従業員がアイデアを出し合った「おにぎりアイデアグランプリ」に携わったヴィレッジヴァンガード執行役員IP戦略部の吉田佑生部長は、受賞した「小倉おにぎり」「国産鶏のオムライスボール」「焼きサバのバジルおにぎり」をスクリーンに映し解説。同社商品部の大賀亜矢美課長が「アイデアがたくさん出て、商品化をみんなで喜び合った」とアイデアを出した側の盛り上がりを紹介した。
アイデアを受け取った側のJR東日本クロスステーションフーズカンパニー常務執行役員の坂下佳久外食事業部長は「われわれの商品開発は保守的になりがちだが、若い世代のアイデアに大きな刺激を受けた」。商品化にあたった同社営業開発部マーケティンググループプランニングチームの毛涯竹彦サブマネージャーは「オムライスボールでは、ひよこの顔を作るのが大変だったが何とか仕上げられた」と振り返った。
小宮さんが「日本の食は美味しいが、農産物をどういう人がどう作っているかにふれたらもっと美味しくなる」と締め括った。
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