野菜でもコスト考慮した仕組みづくり議論へ WGが初会合2024年11月7日
コストを考慮した農産物の価格形成の仕組みづくりを検討している農水省の「適正な価格形成に関する協議会」は、野菜について検討するWGを設置し、11月6日初会合を開いた。
コストを考慮した価格形成の仕組みは、生産や製造にかかる費用を把握して買い手に対して説明、それをもとに価格交渉するなどによって、双方合意のもとで価格を決定するというもの。価格形成は需給と品質を基本としつつ、売り手から説明のあった費用を考慮することを法制度化するよう農水省は検討しており、来年の通常国会の提出をめざす。
対象となる品目は、供給の持続可能性が懸念されるもの。野菜についても供給の持続性に支障が生じているかについて関係者が合意することが仕組みづくりの前提となる。
初会合で生産者からは野菜は卸売市場を約8割が経由しているため「コストを反映しづらい」という実態のほか、相対取引や契約取引でも、「生産コストを説明しても、それにかなう単価にはならない」、「コストを踏まえて価格交渉することが毛嫌いされ、そこまでするなら市場から調達すると言われてしまう」などの声があり、野菜は供給の持続性が懸念されることを指摘したが「生産者側の押し付けにならないよう協調して議論していきたい」との意向も示した。
卸業者からは「需給で価格は決まり、入荷量で価格は変動する。荷の受託拒否ができないためコスト反映は困難」との認識が示されたほか、産地の大型化で価格引き上げを求められる一方、消費地では量販店などバイイングパワーが高まっており、板挟みになっている状況も説明した。
小売業者からは国内産の野菜の価格が上がれば輸入が増えるのではないかとの懸念や、野菜のすべてが供給の持続性に支障があるわけではなく検証が必要だとの指摘もあった。
生産者側からはデータを提出する意向も示され、今後、議論を続ける。どの品目を対象とするかも議論になる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(139)-改正食料・農業・農村基本法(25)-2025年4月26日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(56)【防除学習帖】第295回2025年4月26日
-
農薬の正しい使い方(29)【今さら聞けない営農情報】第295回2025年4月26日
-
1人当たり精米消費、3月は微減 家庭内消費堅調も「中食」減少 米穀機構2025年4月25日
-
【JA人事】JAサロマ(北海道)櫛部文治組合長を再任(4月18日)2025年4月25日
-
静岡県菊川市でビオトープ「クミカ レフュジア菊川」の落成式開く 里山再生で希少動植物の"待避地"へ クミアイ化学工業2025年4月25日
-
25年産コシヒカリ 概算金で最低保証「2.2万円」 JA福井県2025年4月25日
-
(432)認証制度のとらえ方【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月25日
-
【'25新組合長に聞く】JA新ひたち野(茨城) 矢口博之氏(4/19就任) 「小美玉の恵み」ブランドに2025年4月25日
-
水稲栽培で鶏ふん堆肥を有効活用 4年前を迎えた広島大学との共同研究 JA全農ひろしま2025年4月25日
-
長野県産食材にこだわった焼肉店「和牛焼肉信州そだち」新規オープン JA全農2025年4月25日
-
【JA人事】JA中札内村(北海道)島次良己組合長を再任(4月10日)2025年4月25日
-
【JA人事】JA摩周湖(北海道)川口覚組合長を再任(4月24日)2025年4月25日
-
第41回「JA共済マルシェ」を開催 全国各地の旬の農産物・加工品が大集合、「農福連携」応援も JA共済連2025年4月25日
-
【JA人事】JAようてい(北海道)金子辰四郎組合長を新任(4月11日)2025年4月25日
-
宇城市の子どもたちへ地元農産物を贈呈 JA熊本うき園芸部会が学校給食に提供2025年4月25日
-
静岡の茶産業拡大へ 抹茶栽培農地における営農型太陽光発電所を共同開発 JA三井リース2025年4月25日
-
静岡・三島で町ぐるみの「きのこマルシェ」長谷川きのこ園で開催 JAふじ伊豆2025年4月25日
-
システム障害が暫定復旧 農林中金2025年4月25日
-
神奈川県のスタートアップAgnaviへ出資 AgVenture Lab2025年4月25日