水田政策 直接支払いなど 国会で熟議 大胆な農政運営めざす 江藤農相就任会見2024年11月12日
第二次石破内閣で農相に就任した江藤拓氏は12日午前、農水省内で就任会見に臨んだ。
江藤拓農相
江藤農相は自民党の総合農林調査会会長として基本法の改正議論を主導してきたが、「今度は役所のなかで実際の作業することに非常にやりがいを感じている。責任がある。全力を注いでいきたい」と意気込みを語るともに、少数与党であることをふまえ、「熟議の国会にすべきと思っている」、「多様な意見が取り入れられて最終的にいい政策に昇華されていったという国会にできれば」などと、国会での議論を重視する考えを述べた。
多くの野党が公約として掲げた直接支払い政策についても「100%否定するつもりはない」と話し、かねてから傾斜がないために直接支払いの対象外されている農地について「条件不利ではないのか、何か手立てはないのかと思っていた」と話し、党内での議論にも期待するとともに、「あらゆる政党の意見を聞いて尊重していきたい」と述べたほか、水田活用交付金の交付要件である5年ごとの水張り要件についても現場への周知徹底が重要との考えを示すとともに「一歩も動かないのかと言われれば別。委員会は議論の場」と話し、国会での議論を否定しなかった。
米の価格上昇については「消費者が大変困ったという気持ちは分かるが、ようやく米を作ることに張り合いを持てるというの農家もたくさんいる」と現場の声を伝え、適正な価格形成に向けて「消費者の理解がなければできない。食料安全保障を国民に理解していただく必要がある」と強調した。
また、石破総理が総裁選で米の輸出に向けて増産方針を打ち出し米政策について「総理とよく話し合わなければならないが、米の輸出を増やすことは同意。ただ、買ってくれる人がどれだけいるも考えなければ」と述べ、自民党内でこれまで議論してきた米政策と石破総理の考えている、「そして野党の米政策それぞれ少しづつ乖離があると思う。熟議の国会で整理していきたい」と国会での議論を重視する考えを繰り返し強調した。
農林水産予算の増額の必要性を強調し、とくに労働力不足を補うスマート農業について「個別の農家に大規模な設備投資をする余力はない。導入するなら国がしっかり支援すべきで農水省の予算を大きくしないとできない」と述べた。
就任に当たって石破総理からは「大変だががんばってほしい。期待している」と言われたといい、「期待に応えられるように大胆に農政を運営しようと思っている。大転換というのではあれば殻を破らなければならない。リーダーシップをとっていきたい」と話した。
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