ハスモンヨトウなど 全国的に多発 令和6年度病害虫発生予報第9号 農水省2024年11月14日
農林水産省は11月13日、令和6年度病害虫発生予報第9号を発表した。
向こう1か月の主要な病害虫の発生は、ハスモンヨトウ、オオタバコガおよびシロイチモジヨトウの発生が、全国的に多くなるまたはやや多くなると予想。また、かんきつのハダニ類の発生が、東海の一部の地域で多くなると予想されている。このほか、トマトのコナジラミ類など、地域によっては多くなると予想されている病害虫があるため、農水省は注意を呼びかけている。
各作物の詳細は以下の通り。
◎野菜・花き
【表】野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域
◎作物共通
・ハスモンヨトウ、オオタバコガ及びシロイチモジヨトウの発生が、全国的に多くなるまたはやや多くなると予想され、熊本県から警報、8県から注意報が発表されている。
幼虫の成育が進むと薬剤の効果が低下するため、若齢幼虫期が防除適期となる。都道府県が発表する発生予察情報等を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、適期に防除を実施すること。
結球野菜では、結球内部に幼虫が食入した場合に防除が難しくなることから、結球前に防除を実施を。施設開口部への防虫ネットの設置や交信かく乱剤の利用も有効。
また、収穫後の作物残渣に卵や幼虫が付着している可能性があるため、適切に処分するとともに、施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行うこと。
◎果樹・茶
【表】果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域
◎かんきつ
・ハダニ類の発生が、東海の一部の地域で多くなると予想されている。同虫は発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、発生初期をとらえた防除が重要。ほ場の観察をきめ細かく行い、適期の防除を実施する。
なお、同虫は薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定する。
◎果樹・茶共通
・果樹や茶では、翌年の病害虫防除を効率的かつ効果的に実施するため、病害虫の越冬量を低下させ、翌春の発生を抑制することが重要。せん定作業に合わせて、感染落葉やり病部を除去し、速やかに園内土中に埋設するか、園外に持ち出すなど、適切に処理する。
また、ハダニ類およびカイガラムシ類の害虫の発生が多かった園地では、樹の粗皮削りやマシン油の散布による防除を実施する。茶のカンザワハダニの発生が多かった園地では、秋整枝後の休眠前(秋冬期)または休眠明け(早春期)に薬剤散布等の防除を実施する。
◎次期作に向けた水稲害虫対策について
・水稲の再生株(ひこばえ)はヒメトビウンカの越冬源及びイネカメムシの栄養源となり得ることから、当該害虫の発生地域では、収穫後は速やかに耕起し、すき込む。
・スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)は、田植え直後の葉や茎が柔らかい時期に水稲を加害する。来年の発生を抑えるため、収穫後の防除として、都道府県が発表する発生予察情報等を参考に、冬期の耕うん等による殺貝を実施する。冬期の耕うんは、厳寒期(1~2月)に実施することで殺貝効果を高めることが可能。
スクミリンゴガイは、農機具・機械に付着した泥とともに他のほ場へ拡散するおそれがあることから、発生ほ場で使用した後は泥をよく落としてから移動させるよう心がけること。なお、一旦定着したスクミリンゴガイを根絶することは困難なこと、また周辺の水田にも悪影響が及ぶことから、除草目的であっても、スクミリンゴガイを放飼しないこと。
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