コスト考慮を「努力義務」 取り組み不十分なら農相が勧告・公表 農水省2024年12月13日
農林水産省は12月13日に自民党が開いた総合農林政策調査会・農林部会に合理的な費用を考慮した価格形成の仕組みについての検討方向を示した。
コストを考慮した食品の取引の考え方は、売り手はコストを把握し買い手に説明、説明を受けた買い手はコストを考慮し、双方合意のもとで価格を決定するというもの。需給や品質を基本としつつ、買い手は費用を考慮して価格改定を検討することが求められる。
農水省は仕組みの具体的な措置として、売り手による生産・製造にかかるコストの明確化と、買い手がコストを考慮することを「努力義務」として新法に規定する。
売り手は生産・製造にかかるコストを把握し、コストが変動した場合、買い手にその要因や水準などを説明する。
買い手は取引条件について定期的に協議し、コスト上昇などで価格改定の要請があった際には速やかに協議に応じ、コストを考慮した価格交渉を行う。
こうした取り組みを「努力義務」に対応した「行動規範」(判断基準)として農林水産大臣が明確化、指導・助言を行い、改善が見られない場合は勧告と社名の公表を行うことを法律に規定する。さらに独占禁止法違反が疑われる場合には、公正取引委員会に通知することも規定する。
行動規範は法律ではなく政省令や通知として定める。
農水省は行動規範に照らして問題となる代表的な取引として以下のような例を挙げている。
▽コストの上昇を理由に価格交渉を申し入れたにも関わらず協議に一切応じない。
▽価格交渉に際し、過度に詳細なコストの内訳の提出を求め、実質的に協議に応じない。
▽売り手(生産者)の支援を目的とした国による補助金の支援を理由に、補助金分の値引き要請を行う。
▽セールや客寄せなど名目でコストを著しく下回る価格での納入を一方的に要求されていることが常態化している。
このほか、人手不足や物流コストの上昇などで納品頻度を削減したくても、商品で常時棚を埋めることを過剰に優先、一方的に協力しない、といった商習慣も問題となり得る取引例に挙げている。
コストを考慮した価格形成の仕組みづくりについて関係者で合意されているのが、飲用牛乳、豆腐・納豆、米、野菜の4品目。現在、ワーキンググループで価格交渉に活用するコスト指標を検討している。
農水省は現在の取引では持続可能な供給が危ぶまれると売り手と買い手で合意をすれば、対象品目となるとしており、新法施行された以降でも品目の追加はあり得るとする。
一方、農水省はこうしたコストを考慮した価格形成の仕組みを法制化しコストの価格転嫁を促すだけではなく、国産農産物の活用や有機農産物などの使用による環境負荷の抑制といった食品の付加価値の向上に向け、農業者と地域の食品産業との連携や環境負荷低減など食品産業を支援する法制化も検討している。
適正な価格形成に向けた議論のなかでおもに消費者委員から価格転嫁ばかりではなく、付加価値の向上も必要だとの要望が出ていたことに対応した。
農水省はコストを考慮した価格形成と、食品産業の持続的な発展に向けた法制度は「2本柱」と強調している。
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