多収大豆品種「そらみずき」「そらみのり」を開発 2024農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2024年12月24日
農林水産省は12月20日、2024年農業技術10大ニュースを発表した。
農業技術10大ニュースは、民間企業や大学、公立試験研究機関、国立研究開発法人の研究成果のうち、内容が優れており社会的関心が高いと考えられる10の成果を農業技術クラブ(農業関係専門紙・誌など30社加盟)の加盟会員による投票で選んでいる。ここではトピック6から10を紹介する。
【トピック6】
多収品種大豆「そらみずき」「そらみのり」を開発
農研機構は従来品種より3割以上多収の大豆新品種「そらみずき」と「そらみのり」を育成した。両品種とも莢がはじけにくいため、コンバイン収穫でも収穫ロスが少なく豆腐への加工に向いている。
栽培適地は「そらみずき」が関東から近畿、「そらみのり」が東海から九州まで。東北南部から北陸が栽培適地の「そらひびき」と東海から九州北部地域が栽培適地の「そらたかく」と合わせ、「そらシリーズ」4品種で東北南部から九州までを多収品種でカバーできる。
多くの産地に普及させることにより、国産大豆の安定供給や自給率向上への貢献が期待できる。
【トピック7】
酪農家向け飼料設計支援プログラム
農研機構は酪農家向けにもっとも低コストな飼料メニューと飼料作物の作付計画を同時に提案するプログラムを開発し、Google Colaboratory上に公開した。
目標乳量、頭数、購入飼料の単価、自給飼料の生産費、ほ場面積など前提条件を記載したエクセルファイルをアップロードすると、飼料メニューなどを計算して結果が表示される。
飼料メニューだけでなく飼料作物の作付け計画が提案され、搾乳牛以外の牛を含めた年間総飼料費まで試算できるため、酪農経営の見通しが立てやすくなり、酪農家の経営安定への貢献が期待できる。
【トピック8】
「ハウスにテグス君」でカラス被害9割減
農研機構は警戒心が強く見えにくい障害物でも避けるカラスの性質を利用し、ビニールハウスの上部にジグザグにテグスを張ることでカラスにビニールを破られる被害を減らすことを確認した。
透明テグスや弾性ポールなどホームセンターなどで入手できる安価な資材を使用するうえ、脚立も不要で農家自ら張ることができる。
棟高3m、間口5m、奥行10mの一般的なハウスでは2人で1時間半で施行できる。
試験ではカラスが開ける穴の数を9割減らすことができたという。
【トピック9】
霜やひょうをピンポイントで予測
気象予報を行っている(株)ウェザーニューズは、霜やひょうなど農業被害を注意しなければならない気象の予測情報を提供する新たなサービス「ウェザーニュース for business」の提供を始めた。
1kmメッシュの高解像度で1時間ごとの天気予報やひょうなどの気象リスクを予測できる。
大雨、強風を1分ごとに観測する小型気象IoTセンサー「ソラテナPro」からも現場の気象データを取得可能。
活用事例としてはりんごの凍霜害を防ぐためアプリで予報をチェックし、防霜ファンによる冷気の撹拌で気温と樹体温度の低下を防止したり、燃焼剤を用いた加温を実施するなどの対応ができる。頻発する気象による農作物被害の回避が期待される。
【トピック10】
「アニマルック」が実現する家畜遠隔診療
SBテクノロジー(株)はスマートフォンなどを通して家畜の遠隔診療を受けることができる「アニマルック」の提供を始めた。
遠隔診療に必要なビデオ通話と診療管理、予約管理を行うことができる機能を実装している。遠隔死亡確認機能もある。
遠隔診療によって獣医師の業務効率の向上を図るとともに、農場への外部関係者立ち入りを最小限にすることで感染リスクを最小化することができる。
遠隔診療であっても診療の質を落とすことなく、「アニマルック」が農家と獣医師の距離を近づけることができる。
重要な記事
最新の記事
-
豊かな食届ける役割胸に(2) ホクレン(北海道)会長 篠原末治氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年12月24日
-
【特殊報】メロン退緑黄化病の発生 県内で初めて確認 兵庫県2024年12月24日
-
【特殊報】ナシ果実にサクセスキクイムシによる被害 県内で初めて確認 福島県2024年12月24日
-
【特殊報】キュウリ退緑黄化病 県内で初確認 タバココナジラミの防除徹底を 福島県2024年12月24日
-
森トラストが老舗ベーカリーの浅野屋をグループ傘下に 子会社の万平ホテルが株式取得2024年12月24日
-
「ミルク&ナチュラルチーズフェア2025」を帯広と札幌で開催 ホクレン2024年12月24日
-
第1回「令和6年度国内肥料資源利用拡大アワード」受賞者決定 日本有機資源協会2024年12月24日
-
多収大豆品種「そらみずき」「そらみのり」を開発 2024農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2024年12月24日
-
鳥インフル 米ノースダコタ州、サウスダコタ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年12月24日
-
多収穫米への関心が高まった業務用米セミナー【熊野孝文・米マーケット情報】2024年12月24日
-
【役員人事】日本曹達(2025年1月1日付)2024年12月24日
-
2年目を迎えた「国産DAY」国産農畜産物を選んで食べる新習慣が着実に浸透 JAグループ2024年12月24日
-
三重県いちご共進会開く 期待の新品種「うた乃」も初出品 三重県園芸振興協会2024年12月24日
-
【役員人事】北興化学工業(2025年1月1日付)2024年12月24日
-
環境計測と農業の革新技術 SDI-12対応「POC-SDI12小型USBモジュール」販売開始2024年12月24日
-
おにぎりの世界を知る「おにぎりサミット2025」開催 11自治体が参加2024年12月24日
-
「ポケットマルシェ」2024年の生産者ランキング発表 総合1位は愛媛の柑橘農家2024年12月24日
-
ブロードキャスターCF-D・CFA-DシリーズでBFトラクタシリーズ向け専用オプションをササキより発売 井関農機2024年12月24日
-
有機JAS認証取得の有機純米料理酒「自然派Style」から登場 コープ自然派2024年12月24日
-
平日クリスマスに厳選フルーツ「ピースタルト」8種 「フルーツピークス」全店販売2024年12月24日