人事2024 左バナー 
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
240401・ニッソーグリーン マスタピース水和剤SP
FMCセンターPC:ベネビア®OD
FMCセンターSP:ベネビア®OD

農政:時論的随想 ―21世紀の農政にもの申す

(93)「聖域」守る!はどこへ?―許されない米特別枠設定―2015年2月5日

一覧へ

・ベトナムも豪州も
・政権公約無視か
・農協改革も強引に!?

 1月30日の日本農業新聞は、一面トップで"米国米に特別枠検討"という大見出しをつけて、次のように報じた。

◆ベトナムも豪州も


 “環太平洋連携協定(TPP)交渉の日米協議で、政府が米国産の主食用米に対し、ミニマムアクセス(最低輸入機会=MA)の枠外で、年間数万トンの特別輸入枠の新設を検討していることが分かった。”

 前回の本欄の見出しを「年初からの難問にどう立ち向かうか―農協改革とTPP―」とつけておいたように、TPP問題を今年直面する大問題と私もしていたのだが、米輸入容認という形で問題が始まるとは考えもしなかった。「聖域」は守れとした国会決議(もちろん自民党も賛成したはず)が、“除外または再協議の対象”とした“重要品目”の筆頭が米であり、しかも今は過剰在庫による低米価に農家は四苦八苦しているときであり、数万トンの輸入とはいえ一層の低米価をもたらすことは目に見えている時である。
 もしアメリカへの米の特別枠新設が行われたとするなら、その措置はアメリカのみにとどまれる保証は無い。2013年時点で60万トンの輸出余力を持つとされたオーストラリア(TPPで「関税を撤廃した場合の経済効果についての統一試算」で農水省が試算した数字)が黙っていないだろうし、TPP参加国の中での最大の米生産国ベトナムも声をあげるだろう。木徳神糧(株)との合弁会社ベトナムのアンジメック社が13年当時すでに日本米約5000トンを1kg当たり1ドルで東南アジアを中心に輸出していたことを、もうだいぶ前だが13年4月10日の本欄で紹介しておいた。今はもっと増えているのではないか。アメリカへの特別枠容認は、特別枠にとどまらなくなるということである。

 

◆政権公約無視か

 アメリカは昨年10月の実務者協議で“関税ゼロで輸入できるミニマムアクセス(最低輸入機会=MA)米のうち、主食用にまわる売買同時入札方式(SBS)による輸入の拡大などを求めていた”し、昨年11月に行われた日米首脳会議の際にはオバマ大統領が安倍首相に“主食用米の輸入拡大などを要求”したという(“”内は15.1.5付日本農業新聞。MA米輸入量は77万トン、うち米国は36万トン、SBS米輸入量は36万トン、うち米国からは約2万トン)。
 このオバマ大統領の要求はSBSの拡大を求めたのであろうが、この時は“首相は、日本国内での米の経済的・政治的な重要性を説明し、拒否したという”。「聖域」のいわば象徴が米だということが、この時点では首相の念頭にあったのである。その首相が、国内産米のさらなる作付減を課題にしなければならなくなっている今、“年間数万トン”とはいえ“特別輸入枠の新設”を政府が“検討”するのを許しているのである。甘利明TPP担当相は「(米国産米の輸入を)1粒も増やすなということは不可能だ」と記者会見の場で述べているそうだが、そういう発言も首相の了解を得ての発言であろう。
 さきの衆議院選挙での自民党の「政権公約」には、前回もふれておいたように、TPPについて“わが党や国会の決議を踏まえ国益にかなう最善の道を追求”と書かれていた。選挙で大勝し“アベノミクスをさらに前進させよという声を国民から頂いた”とうそぶいている安倍首相は、自らも認めた「政権公約」にも縛られず、自分の好きな道を歩もうとしているのではないか。それがTPP交渉の進めかたを変えさせているのではないか。
衆参両院で決めた「聖域」を守れという国会決議が変わったという話は聞いていない。まだ生きているはずである。国会の先生方に、アメリカに米の特別輸入枠を設定するようなTPP交渉を許していいのかを聞きたい。政府に国会決議を踏まえて交渉するよう求めるべきではないか。

 

◆農協改革も強引に!?

 「政権公約」にも縛られず、自分の好きな道を歩もうとしている首相の姿勢が顕著に出ている政策のもう一つの典型が、農協改革である。
 「政権公約」では、昨年6月にまとめた「農協・農業委員会等に関する改革の推進について」に基づき、議論を深め“着実に推進”となっていた。“議論を深め”る上で最大の論点になっていたのは全国農協中央会の監査権限廃止問題と准組合員の利用制限問題だった。衆院選挙後の自民党のこの問題を含めての“議論”は、1月30日、農協改革等法案プロジェクトチームの論点整理として示されたが、そこでは、この“二大焦点は、慎重論が強く、結論は持ち越した”と1.31付日本農業新聞は報じた。
 が、同日付の朝日新聞は、“安倍政権が規制改革の目玉と位置づける農協改革の自民党の素案が30日、明らかになった”として全中の“後継組織自体は法律に明記する代わりに、農協法上の権限は撤廃”と報じていた。結論持ち越しの党議は無視して政府素案ができている、ということなのだろうか。

重要な記事

241025・東芝ライテック:右上長方形SP

最新の記事

クミアイ化学右カラムSP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る