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農政:時論的随想 ―21世紀の農政にもの申す

(115)どこへいった? 多様な農業の共存2017年5月14日

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梶井 功 東京農工大学名誉教授

◆経済対話を警戒

梶井功東京農工大学名誉教授 4月18日、麻生副総理とペンス副大統領による「日米経済対話」が行なわれた。
 安倍首相の2月のトランプ大統領への御機嫌取り訪問時の約束に基いて行われた「対話」だが、今後この「対話」を"貿易および投資のルール/課題に対する共同戦略、経済および構造政策分野での協力、および分野別協力の三つの柱に沿って構成すること"そして"本対話が近いうちに具体的な成果をもたらすこと"で"一致した"とされる(""のなかは「日米経済対話共同文書」として発表された「文書」の表題である。)
 最初の柱の中では"高い貿易および投資に関する基準についての2国間枠組み"を取り上げることも「文書」の中に銘記されているが、日米FTAに関しては全くふれていなかった。
 トランプ大統領自身、1月23日に出した大統領令でTPP交渉から"永久に離脱する"と同時に"個別の国と1対1で将来の貿易交渉を進める"と宣言していたし、2月7日全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)と全米豚肉生産者協議会(NPPC)が日米二国間FTA交渉に踏み出すべきことを求める共同書簡を大統領に送ったし、2月9日にはUSAライス連合会も日本とのFTA二国間交渉入りを支持する意見表明を行なっていたというようなことから、4月18日の「対話」では当然日米FTA交渉入りが宣言されるものと私などは考えていたのだが、そうはならなかった。

◆TPP 今こそ否定

 が、そうはならなかったですむ話では、もちろん、ない。「対話」終了後の記者会見で、ペンス副大統領は"「TPPは米国にとって過去のものだ」とし、......二国間交渉を選んだトランプ政権の判断を強調......「今後FTA交渉になるかもしれない。二国間交渉は米国にとって利益になり、相手国にも利益を与える」と述べ、今後の経済対話で日本にFTAを求める可能性をにじませた"という(4・19付「日本農業新聞」)。
 こうした副大統領の発言などに、"与野党農林議員に警戒感が広がった"と日本農業新聞は伝えている。4月20日の"与野党に警戒感"と題した記事の中から議員の発言を紹介しておこう。まずは自民党農林幹部の一人
 「経済対話で米国側から農業など具体的な言及がなかったことに安堵(あんど)しつつも、"二国間交渉を求める米国"に対しては『TPP以上はないと言い続けるしかない』と語気を強める」
通商関係に詳しい民主党議員
 「『2国間の枠組みと言っている以上、今後、何らかの形でTPP以上の要求を突きつけてくるのは必至だ』と指摘。『TPP以上(の譲歩)はないと答弁できない日本政府の対応は弱過ぎる』とみる」
 米国に対してTPPへの翻意を促しつつ、米国抜きでのTPP発効の道も視野に入れる日本政府の対応に、反TPPを訴える民主党農林議員
 「オーストラリアとニュージーランドこそ、日本の農産物市場をターゲットにしているのに、11か国でTPPをやろうなんてばかげている。TPPこそ、打ち砕かなければいけない」と吐き捨てる。

◆原点は「日本提案」

 与党の先生方といまの政府の進め方には満足していないし、野党の先生方は"政府の対応は弱過ぎる""TPPこそ、打ち砕かなければいけない"としているのである。国会でこの「経済対話」のあり方、TPPそのものがこれでいいのかを議論してもらいたい。その議論は、当然ながらTPP合意案が本当に国会で与野党一緒に決議した聖域を守ることになっているのかを再考議論することにもなろう。是非そうしてもらいたいと思うのだが、もう一つ議論に当たっては日本政府が2000年12月にWTOに提出した「WTO農業交渉日本提案」(この「提案」を取り下げたという話は聞いていない)を想い出し、是非この「提案」の趣旨に沿って農産物貿易のあり方を論じてほしい。16・4・10付本紙で一度この提案のポイントを紹介したことがあるのだが、再掲しておこう。
 「日本提案の根底に存在する基本的哲学は、多様な農業の共存である。......農業とは、各国の社会の基盤となり、社会にとって様々な有益な材料を提供するものであり、各国にとって自然的条件、歴史的背景などが異なる中で、多様性と共存が確保され続けなければならない。(中略)」
 「効率を重視した画一的な農業のみが生き残り得る貿易ルールは、我が国のみならず各国にとっても拒絶されるものである」
 「また、我が国では、競争力のある一部の輸出国のみが国際市場において利益を得るような交渉結果は認めない」(「提案」の前文の抜粋である)。

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