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農政:シリーズ

【世界の食料・協同組合は今】おにぎりが開く日本の米輸出 阮蔚理事研究員2025年2月18日

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「世界の食と農を追う」をテーマに農林中金総合研究所の研究員が解説するシリーズ。今回は「おにぎりが開く日本の米輸出」として、理事研究員の阮蔚(ルアン・ウエイ)氏に担当してもらった。

農中総研理事研究員 阮蔚氏

農林中金総合研究所 阮蔚理事研究員

2024年の農林水産物・食品の輸出額は12年連続で過去最高を更新し、初めて1.5兆円を突破した。その中で注目すべきは今も国内で価格上昇が話題となっている米の輸出増。日本の米輸出額は前年比27.8%増の120億円と過去最高となった。その最大の輸出先は意外にも人口750万人の香港で、米国向けを7億円上回る32億円となった。香港向けが突出して多い理由は日本料理店やすし店などが多いこともあるが、「おにぎり」が定着、需要を押し上げたことが大きい。おにぎりは米食文化圏のアジアでも他にはない日本独特のものだ。香港でのおにぎり普及は筆者が2024年末に訪問した西田宗生社長率いる「百農社」を抜きには語れない。社名は「百年先の農を創る」という意味が込められている。

2011年、25歳の西田社長は香港で最初のおにぎり専門店「華御結(はなむすび)」をオープンした。だが、前後して発生した東日本大震災による原発事故による風評被害で、売れ行きは鈍かった。それでも日本の米の安全性を丁寧に説明し、「いつどこでも、手軽に片手でも食べられる」と、地道におにぎりをアピールし続けた。それから13年たった2024年末には地下鉄の駅や空港、商業施設などにおにぎりスタンドが当たり前のように立地するようになった。「華御結」と2022年にスタートした新ブランド「OMUSUBI」を合計した150店舗は香港ではスターバックスに匹敵し、香港のおにぎり市場で圧倒的な存在となった。香港では中国大陸と同様に冷えたご飯を食べる習慣はなかったが、今ではおにぎりは若者やビジネスマンなど幅広い顧客を獲得し、香港で「華御結」は知らない人がいないブランドとなった。

「華御結」のすべてのおにぎりは、「高品質な日本産米」と「品質の均一化に対応するための自社工場での製造」にこだわり、具材は日本式のツナマヨやサケ、昆布などに加え、エビマヨ、スパイシーチキンなどローカルのし好に合わせたメニューも展開し、香港の消費者に支持されている。

1個平均20香港ドル(約400円)の日本スタイルの「華御結」のおにぎりを食べてみたが、ふっくらとした米、パリッとしたのり、しっかりした味の具材、日本で食べるおにぎりと全く遜色はなかった。北海道、新潟、長野など日本全国のブランド米を輸入しているが、商社任せではなく、西田社長自らが産地を回り、生産者とコミュニケーションを深め、農薬の使用を抑えるなど、米づくりの段階から考え方や問題意識を共有し、質と量を確保している。

香港でスタートした「華御結」はこれから東南アジアや欧州など世界へ羽ばたこうとしている。西田社長の構想では、2030年までに世界で1万店を展開、2040年にはスターバックスに肩を並べる店舗数を目指すという。そのためには世界に200の炊飯・おにぎり加工の拠点を作るという。もし実現すれば、全世界のチェーンで販売するおにぎりの原料の米は現在の日本の米生産量の10%に達するという。

おにぎりやすしなど日本の米を原料とする和食が世界に広がることで、日本は米輸出大国となる可能性を持つ。だが、その実現にはメタン排出削減、減農薬など環境や安全面で、世界で受け入れられる米づくりの確立、日本国内で米の供給不安を招かない米農政が求められる。

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