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農政:緊急特集 TPP大筋合意―どうする日本の農業

TPP「合意・調印」中止を求め、労働組合も共同!2015年10月15日

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全労連・全国一般東京地本副委員長の梶哲宏氏

 多くの国民や生産者が反対していたにもかかわらず、米国アトランタで行われていたTPP交渉が10月5日に大筋合意した。大筋合意への意見や今後の日本農業の在り方などについて、多くのご意見が寄せられている。これらのご意見を逐次掲載していくことにしている。
 今回は、労働組合から全労連・全国一般東京地本副委員長の梶哲宏氏のご意見を掲載する
 なお、皆さまのTPPに関するご意見を下記までメールでお寄せ下さい。
tpp@jacom.or.jp

◆TPP「合意」の中身は、食の安全・安心とコメなどの"食糧自給"破壊の道

 "コメを作っても農家が食っていけない"日本の農業と食糧自給の危機です。今でさえ農業でやっていけないのは、コメ作りの自家労賃が労働者の最低賃金さえもはるかに及ばない「価格」が問題なのです。
 そもそも、日本の今の最低賃金制は地方間格差がひどい上に超低額です。高い地域の東京で時給907円(8時間×22日労働で月16万円弱)、高知、宮崎、鳥取、沖縄などで693円=月12万2000円余と大変低額、全国平均でも798円(月14万500円弱)です。今年の新米の生産者からの買い取り価格は60kg9000円余、『米作農家の自家労賃は時給換算で400円前後』にしかなりません。昨年は300円台で、いずれも生活保護基準よりはるかに低い米作労賃収入で、労働者に対する(不当に低い今の最低賃金の)全国平均の約半分ほどでしかありません。
 これでは、農家がコメを作っていけなくなるのは時間の問題です。TPP「大筋合意」はこうした買いたたきのコメ市場の中で新たに7万トンのアメリカ米の輸入枠受け入れですから、今以上にコメは買いたたかれさらに米価は下落、まさに破たんの危機に瀕します。 労働者・国民は、米農家が滅びたら国産米は手に入らなくなり、農家の担い手もいなくなり、危機は深まります。

◆目に余るコメの買いたたき不条理な廉売

 今年の生産者売り渡し価格は1俵(60kg)9000円前後ですが、スーパーなどではいくらで売られているか。コメの買いたたきと不条理なまでの廉売の規制こそ政治の責任です。
 首都圏・松戸市のスーパーで27年度産新米の普通米「ふさおとめ」が10kg2620円から、上級「多古米」で3570円。同じく流山市の地場スーパーでは、栃木米が10kg1360円で特売され、1日で売り切れ。こうして、コメを農家からは買いたたいて流通させ、スーパーの店頭では安売りの目玉商品にされています。
 他方、中国大連市の例でみると、2015年6月時には小売りで普通米10kg4000円(200元)、大衆米で1000円(50元)という価格設定です(物価は全般で日本の4分の1)。日本では「日本のコメは高すぎる」というデマが飛び、日本の農産品が高すぎるという虚構の宣伝の下で、国内農家は買いたたかれています。
 問題は、今度は今でもスーパーの店頭では大商社や大手資本が外国産農産物を買いたたいて輸入した食品であふれているのに、コメ市場まで外国産の販売場になるということで良いのでしょうか。"食糧は日本の大地から"を国の方針として、安心・安全な食糧を自給でまかない、これを普通に消費できる賃金や所得水準を全国一律最低賃金制を確立して国に保障させ、最低賃金以上の自家労賃を償える米価を農家に保障するコメの取引き価格へと、政策面から正すことこそが求められています。輸入をテコに国内産のコメや農産物が「安く」買いたたかれ、スーパー等の店頭には輸入品が増える。これまでの輸入拡大路線によって、野菜・果物は決して安くなってはいないというのが実感であり、むしろ町の八百屋さんはスーパーより割安で売りながらつぶされていっています。

◆TPPによる食品の輸入拡大では、安全・安心な農産物が消費者に「安く」届く保障はない

 TPPで輸入農産品が値下がりするかのように宣伝されていますが、「輸入品値上がりの中で、TPPで値下げという形で...変えることにならないだろう」(港区輸入食材:東京新聞10月10日)など、中間流通業者も値下げに直結しないと言っています(東京新聞10月10日)。
 そして、TPP「合意」は、農業・水産業と地方・地域の破壊の道であり、また労働者・国民にとっても「雇用の破壊・医療・保険・知的財産権など国民の生活と中小・零細企業の先行きを一層困難にする」ものです。
 労働組合は、今こそ『農水産業に携わる人』や『中小・零細業等』と共に、国民と労働者の共同を拡げ、「TPPからの撤退」「戦争法廃止」「基地建設反対と憲法守れ」の課題の実現をめして行動する時代に入ったと言えましょう。

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