農政:全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」
塩村あやか 立憲民主党 参議院議員【緊急特集 全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」】2021年9月1日
塩村あやか 参議院議員
○塩村あやか
○立憲民主党
○参議院議員
○選挙区:東京都
○出身地:広島県
【1】現在の政府のコロナ対策についての評価
災害級の被害とも言われているコロナ感染症の拡大。しかし、まず確認をしておきたいのは、後手後手の対応により明らかに「人災」になってしまっていることだ。新型コロナ感染症の特徴は「無症候者」が感染拡大をすることは早くから分かっていた。しかし、野党の指摘を無視した楽観論が国会にまん延。入国制限の遅れやPCR検査抑止論、GO To トラベル等につながってしまった。科学的知見に基づく豪州やNLの島国を生かした(豪州は大陸ではあるがが)対応とは真逆といえる。特にNLのアーダーン首相のように国民に直接自分の言葉で語りかける姿勢は日本の総理にはなく、リスクコミュニケーションの失敗も大きい。
デルタ株のまん延の予想も出来ていなかったらしい。病床は足りず、自宅療養という名の自宅放置で亡くなった方は一都三県で39名にものぼる(8月1-29日)。感染した妊婦が自宅で一人で早産をし、赤ちゃんが死亡した件も本当に痛ましい。5月の段階で自治体任せにせず、国が妊婦を守るよう要望書を政府に私達は提出したが、検討もされないままだったことは述べておきたい。
臨時病院(野戦病院)も、PCR検査拡充も出来ない理由を並べ続けてきた結果が、医療崩壊してしまうほどの感染拡大だ。カクテル療法など医療分野は他の専門議員に説明を聞いて頂きたいが、何にしても後手後手のひと言に尽きる。ワクチン一本打法も全国で混乱が広がっている。職域接種や若者優先枠など最早、何が優先なのか全く分からなくってしまっている。一気に接種を進めたい気持ちは分かるが、無計画の末の混乱である。
「科学的知見」を利害関係を抜きに真剣に取り入れること、世界情勢をみて「予想」を立てておくこと。まずはこの2点を政府には徹底してもらう必要がある。感染者が底打ちをした段階で、PCR検査を徹底して無症候者を療養してもらうことは誰が考えても明らかに有効なことだ。感染抑制を果たした国は徹底している。そして、外出や営業自粛を国民に「強く・短期」にお願いする。補償はみんなが従える内容にすること。
先の見えない「自粛」を強いるだけでは効果が出ないのは当然だ。野党の提案を後から後から追っている施策も少なくない。国会を開き、しっかりと議論をするべきだ。
【2】今後のコロナ対策についての提案
日本こそ実現出来たはずの島国を生かしたウイルス封じ込めは失敗した。しかし、まだ感染の封じ込めは出来ていない。新たな変異株にワクチンが有効かどうかも分からない。だからこそ、基本に忠実に、そして、予測を立てることが重要だ。検査を軽視しないことがまた求められるかもしれない。そして、休業を要望するなら、「従ってもいい」と思わせるような補償と効果のある対応をとることが重要と考える。
【3】コロナ禍で見えてきた日本の政治のあり方について思うこと
コロナは日本の弱点を露呈した。科学的根拠のない精神論、施政者の発言をそのまま見出しにするマスコミ発表、軌道修正が苦手な日本の政治。経済的打撃は非正規雇用の女性や氷河期世代達を直撃した。アルバイトが無くなったことで学費問題に直面する大学生の多さも表面化した。「見えない貧困」がまん延した理由のひとつには「公」のあり方を軽視してきた政治、それを選挙の結果で最終的に支持してきた民意もある。
多くの人が「公」の持つ意味や重要性に気づいたはず。「公」と「選挙」の持つ意味を考えれば、選挙直前のバラマキ政策に迎合することなく、「政治」のあり方をひとりひとりが熟考し、投票権を行使することで変えていけるはずだ。
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