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農政:全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」

宮川 伸 立憲民主党 衆議院議員【緊急特集 全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」】2021年9月8日

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宮川 伸 衆議院議員宮川 伸 衆議院議員

○宮川 伸
○立憲民主党
○衆議院議員
○選挙区:比例区 南関東
○出身地:千葉県千葉市

【1】現在の政府のコロナ対策についての評価
(1)ワクチン接種の問題点と今後の課題
 ワクチンが安定的に供給できず、現場は混乱しています。国産のワクチンや治療薬が作れる体制をしっかりと整える必要があります。ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンは今後3回目の接種が必要になる可能性が高いです。インフルエンザのように毎年変異株が流行する可能性もあります。また、mRNAワクチンの技術は他の感染症ワクチンや癌の治療薬などにも応用できる可能性があります。まずはファイザー社やモデルナ社とライセンス交渉して国内製造できるようにすべきだと提案しています。

(2)医療体制の問題点と今後の課題
オリンピック開催中に感染爆発が起こる可能性があることは、京都大学の西浦教授が指摘していて、国会でも何度も取り上げられました。にもかかわらず、病床と宿泊療養施設の準備が十分でなかったことは大きな問題です。私は国立病院機構と地域医療機能推進機構のコロナ病床の使用が少ない点を指摘してきました。政府は特措法に基づいた病院への要請をやっと出しましたが、もっと早く出すべきでした。

医療機関への支援が少なすぎることもまた、何度も指摘しました。昨年はコロナ患者を受け入れた病院ほど経営が厳しくなり、医療従事者の夏のボーナスがカットされるケースもありました。この点については強く指摘しましたが十分に改善されず、冬のボーナスもカットされた病院があったと報道されています。ワクチン接種も行われており、コロナ病床での看護師不足は深刻です。再度の慰労金を出すなど、きちんとリスクに対する上乗せをすべきです。

(3)国民生活や経済活動の規制(「外出自粛」「営業自粛」「リモート作業」等)への補償
事業規模に応じた2回目の持続化給付金を何度も提案し、議員立法も国会に提出しましたが、政府は動きません。例えば、十分な金額かどうかは別にして、居酒屋さんは協力金による補償がありますが、そこにお酒や食材を卸している事業者には十分な補償が出ていません。ポストコロナにV字回復を目指しますが、その時まで事業者が残っていなければ果たせません。もっと細やかな事業者支援をすべきです。

(4)検査体制の拡充について
日本は先進国の中で最もPCR検査を行っていません。感染症の基本は検査、隔離、治療です。検査をしなければ誰が感染しているかわからず、感染が拡大することは明らかです。私たちは昨年3月にPCR検査強化法案を国会に提出しましたが、与党が取り合わず一度も審議されていません。私は、少なくとも病院と高齢者施設でのPCR検査の徹底を求めてきましたが、これすら政府はやろうとしませんでした。市民グループと一緒に「#PCR検査を増やそう」署名活動を行い、昨年8月頃に厚労省、千葉県、鎌ケ谷市に提出しました。しかし、それでも動かず、1月の感染拡大では高齢者施設でクラスター感染が頻発し、多くの高齢者がお亡くなりになりました。因みに、当時ニューヨークでは誰でもいつでも無料で検査が受けられました。
 空港の水際対策の強化も求め続けてきました。第一波のヨーロッパ型に始まり、第三波のイギリス型、そしてデルタ株といとも簡単に国内流入を許しています。今、ラムダ株が検出され始めていますが、徹底したPCR検査とゲノムシーケンス解析によって、早期に封じ込める必要があります。

(5)治療薬の開発と使用について
ロナプリーブという軽症から中等症患者用の治療薬が7月に承認されました。重症患者を出さないようにするために極めて重要な治療薬です。しかし、政府は8月になって中等症患者の自宅療養を指示しました。ロナプリーブは点滴薬なので、自宅では簡単に投与できません。外来や治療拠点で治療できる体制を拡充し、自宅で悪化する人が出ないように、もっと速やかに手を打つべきです。

イベルメクチンが軽症から中等症患者に効果がある可能性があります。この薬は錠剤なので、自宅で飲み薬として使用することができます。既に別の疾患で承認されていて、安全性についても多くの知見があります。現在臨床試験中ですが、早く結果がでるようにもっと政府がバックアップすべきです。他にも可能性のある薬がありますが、政府は積極的に臨床試験を行おうとしていません。早期に予算付けをして、開発・承認に向けて推進すべきです。

【2】今後のコロナ対策についての提案
・安定したワクチンと治療薬の供給
・「野戦病院」を含めた簡易医療施設の整備と医療従事者の待遇改善
・水際対策の更なる強化
・デジタル技術の強化と活用
・自粛要請と補償はセットで実施
・中途半端に経済を回すのではなく、まずは命を第一に考えた対策

【3】コロナ禍で見えてきた日本の政治のあり方について思うことがありますか?
・非常時には通常の対策では対応できないことが多々あり、政治がリーダーシップをとって舵取りをする必要性を強く実感しました。
・非正規労働者や一人親家庭など、社会の脆弱な部分が鮮明となりました。これまでも指摘されてきたことで、政治が放置してきた責任は大きいと思います。しっかりと対応する必要があります。
・政治家のメッセージはとても重要です。例えば自粛要請について、国民が「協力しよう」と思うような発信をする必要があります。
・「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」というツイッター投稿が問題になりました。先の国会でも「世界の感染状況と比べれば日本は大したことない」という主旨の発言がありました。もちろん感染状況は様々で、各国ともその時に必要な対応は異なるでしょう。しかし政治家であれば、自分の大切な人が命を落とした時のことを考える想像力が必要なのではないでしょうか。一人ひとりの命が大切にされる政治が求められます。

緊急特集 全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」

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