農政:全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」
穀田恵二 日本共産党 衆議院議員【緊急特集 全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」】2021年9月14日
穀田恵二 衆議院議員
○穀田恵二
○日本共産党 党国会対策委員長
○衆議院議員
○選挙区:比例区 近畿
○出身地:岩手県水沢市
【1】現在の政府のコロナ対策についての評価
全国で新型コロナの感染が急拡大し、感染爆発、医療崩壊が起こっています。こうした事態は、政府による長年の医療供給体制の脆弱化に、コロナ対策の無為無策が重なった「人災」と言わざるを得ません。菅首相は、昨年9月の就任から約1年で政権を投げ出すことになりましたが、これは国民から噴き出した政権批判に追い詰められた結果です。
菅首相は就任時、コロナ対策を「最優先課題」とし、「爆発的な感染拡大は絶対阻止する」と表明してきました。しかし、それは言葉だけのもので、医療や検査の体制強化を置き去りにして人流を増やす「Go To事業」に固執したことで感染者数を激増させました。政府はこれまで、緊急事態宣言を4回も発令しましたが、宣言が繰り返されているのは政府の大失政の結果にほかなりません。とりわけ、デルタ株まん延の危険が指摘された最中に、感染抑止に逆行する東京五輪・パラリンピックを強行したことは致命的でした。政府のコロナ対応には、(1)科学的根拠を踏まえない、(2)国民への説明責任を果たさない、(3)コロナ対応にまで「自己責任」論を持ち込むという「3つの致命的欠陥」があります。この欠陥を抜本的に転換することが必要です。
【2】今後のコロナ対策についての提案
いま政府に求められているのは、目の前にある命を救うこと、命を守ることを最優先にした対応です。わが党は8月19日に「コロナから命を守るための緊急提案」を発表し、(1)「原則自宅療養」の方針を公式に撤回し、必要な医療を全ての患者に提供することを大原則に据え、一刻も早く政府の責任で臨時の医療施設などを大規模に増設・確保すること、(2)感染伝播の鎖を断つための検査を「いつでも、誰でも、何度でも」の立場で大胆かつ大規模に実施し、感染拡大が顕著になっている事業所、学校、保育園などへの大規模検査を政府主導で行うことを提案しています。政府の責任で、これらの緊急課題を実行に移すことを強く要求します。
農業分野では、わが党国会議員団は8月6日、政府に対し「コロナ禍による米の需給緩和・米価下落への対策を求める要請」を行い、(1)過剰在庫を政府が買い取り、市場から隔離して需給環境を改善する、(2)買い取った米をコロナ禍で苦境に陥っている国民、学生や子ども食堂などに大規模に供給する仕組みを緊急に創設する、(3)政府が需給調整と価格安定に責任を果たし、絶対に暴落を防ぐ意思であることを早急にアナウンスする、(4)ミニマム・アクセス米の輸入中止、(5)転作補助金の大幅拡充、(6)農業者戸別所得補償制度の復活を求めています。
私は党国会議員団の外務部会長として、衆院外務委員会で、コロナ禍で牛肉生産農家が激減するなど、政府の貿易自由化一辺倒、外需頼みの政策が農業の衰退に追い打ちをかけ、危機に弱い社会経済をつくり出した実態を繰り返し告発してきました。いま政府に求められているのは、経済・食料主権を尊重し、国内生産基盤の抜本的強化や食料自給率の向上など内需を拡大することです。
【3】コロナ禍で見えてきた日本の政治のあり方について思うことがありますか?
新型コロナ感染症のパンデミックは、日本社会が抱えるさまざまな矛盾を浮き彫りにしました。医療と公衆衛生を切り捨て、「使い捨て」の雇用を広げ、国民に「自己責任」を強いてきた新自由主義を続けていいのか。目先の儲けのために、かけがえのない地球環境を破壊し、気候危機をもたらした経済社会を続けていいのか。「ジェンダー不平等・日本」をどうやって変えるか。憲法9条を羅針盤にした平和日本をどう築くのか。いま多くの国民が、自らの体験を通じて、コロナの先にどういう社会をつくるのか、摸索と探求を強めているのではないでしょうか。
日本共産党は来る総選挙で、(1)弱肉強食、自己責任押し付けの新自由主義を終わりにして、命と暮らしを何よりも大切にする政治に切り替える、(2)地球規模の環境破壊を止め、自然と共生する経済社会をつくる、(3)ジェンダー平等の日本をつくる、(4)憲法9条改憲の動きを断念に追い込み、9条を生かした平和日本をつくる、の4つを大争点に訴え、自公政治を終わらせて新しい政権をつくるために全力をあげます。
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