農政:全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」
田所嘉徳 自由民主党 衆議院議員【緊急特集 全国会議員に聞く「どうするのかコロナ危機」】2021年9月16日
田所嘉徳 衆議院議員
○田所 嘉徳
○自由民主党
○衆議院議員
○選挙区:茨城県1区
○出身地:茨城県
【1】現在の政府のコロナ対策についての評価
ワクチン接種は、7月に1日の接種回数が150万回から200万回に達し、9月7日時点では2回接種した高齢者が約9割に達し、感染者全体に占める高齢者の割合はワクチン接種開始前と比較して着実に減少している。一方、デルタ株への置き換わりにより、これまでほとんど重症化しなかった若年層からの重症患者や死亡者の発生、若年層から他の年代への感染拡大等が見られるようになってきているので、今後は若年層への接種をさらに加速する。
いくつかの国産ワクチンは年内にも最終治験が開始される見込みであり、中和抗体薬等の治療薬についても開発が進んでいることから、国として早期に承認ができるよう、これらの開発への支援を強化する。
急激な感染拡大により一般医療を含めて医療がひっ迫しており、医療提供体制の強化は喫緊の課題である。病床や医療人材の確保について、民間病院の積極的な協力が得られるよう補助金の充実を図りながら、コロナ患者対応を強く要請すべきである。無症状者や軽症者について、入院できない場合でも、ホテル等を活用した宿泊療養施設を確保して対応する。自宅療養については、医療機関との緊密な連携を確保して急激な重症化に対応し、自宅死を防止する。
コロナ禍により自粛を求められた人々や事業主のダメージを緩和するために、明確な基準に基づく協力金の支給制度を構築すべきである。この制度は、ICT技術を活用して迅速に実施できる仕組みとする。
子どもたちの学習や社会人が経済活動を行うに当たっては常に自らの健康状態を把握し、症状が出た場合や周囲に感染者が発生した場合には、速やかに自らのコロナ感染の有無を把握することが重要であることから、直ぐに結果の判明する抗原検査キットを積極的に活用する。
【2】今後のコロナ対策についての提案
コロナ禍で過密都市の新たな危険性が明らかになった。さらに大都市一極集中は自然災害発生時には膨大な人的被害や建物被害の発生、救急・医療や避難所の不足といったリスクも高いことから、環境に恵まれた地方に人や企業をシフトして、一極集中から地方分散型の国づくりを進める。
新たな感染症が発生した場合に、企業や行政がその社会的役割を果たしながら、どのように人の動きを抑えて感染拡大を防止するかを決めておく必要がある。それは、事業継続計画(BCP)としてマニュアル化し、事業継続に当たって残さなければならない機能を感染拡大状況に応じて段階的に定めておき、迅速に対応できるよう備えるべきである。
【3】コロナ禍で見えてきた日本の政治のあり方について思うことがありますか?
今般のコロナ禍で見えたことは、我が国があまりにも海外からの輸入に依存し過ぎていることで、一気に需要が増えるとマスクや衛生用品を購入することができなくなってしまった。もしこれが農産物だったら大変なことで、約37%(カロリーベース)の食料自給率はたいへん危険である。同様に、その他の工業製品のサプライチェーンも危うくなっており、自国での生産に重点をおく国内回帰を果たさなければならない。
コロナ禍への対応において、マイナンバー制度など対策実施に有効なシステムが導入されていながら、利用できる範囲が限定されているために十分に活用できなかった。例えば、定額給付金の支給やワクチン接種など、マイナンバー制度導入の目的から活用が期待される場面で、支給の遅延や秩序ある対応ができなかった。これは、「国民総背番号制」として、個人情報が流出するなどと過度に不安を煽られた結果、必要以上に制度導入・活用に慎重となり、あるべき情報連携の仕組み等を整備することができなかったためである。
今後の政治は、十分な論拠のもとに、有効と思われる政策を強い政治主導で推進できるようにしなければならない。
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