農政:全国会議員に聞く「どうするのかコロナ感染爆発」
赤嶺政賢 日本共産党 衆議院議員【緊急特集・全国会議員に聞く どうするのかコロナ感染爆発】2022年2月4日
赤嶺政賢 衆議院議員
〇赤嶺政賢
〇日本共産党
〇衆議院議員
〇選挙区:沖縄1区
〇出身地:沖縄県那覇市
【1】これまでの政府のコロナ対策についての評価
昨年末以降にコロナ感染の急拡大を招いた要因として指摘されているのが、米軍基地からの"染み出し"です。今年に入って以降、まん延防止等重点措置を適用する地域が順次広げられてきていますが、最初に適用したのは沖縄、山口、広島3県で、いずれも米軍基地を抱えているか、隣接する地域です。沖縄県では、昨年12月17日に、米軍の部隊配備計画(UDP)の一環で米本国からキャンプ・ハンセンに到着した米海兵隊員の間で大規模なクラスターが発生し、それが市中に広がりました。日本政府は水際対策の一環として米国からの入国を原則停止していますが、米軍関係者はその例外となっています。日米地位協定の下で自由な出入国が保障されているからです。しかも、昨年9月以降、米国防総省は日本に入国する米軍関係者の出国前と入国直後のPCR検査を取りやめ、入国後の行動制限期間中も基地内を自由に動き回れる状態になっていました。
沖縄県の玉城デニー知事は、クラスターが発覚して以降、米本国等からの沖縄県への米軍関係者の異動停止や基地からの外出禁止、行動制限期間中の隔離措置の徹底、PCR検査の確実な実施などを政府に繰り返し要請しました。しかし、政府が外出制限を米側に要請したのは市中に感染が広がった後の今年に入ってからで、あまりに遅すぎる対応でした。
入国停止については、私も1月7日の衆院議院運営委員会で、これ以上の感染拡大を防ぐために、少なくとも感染が収まるまでは、一般の米国人と同様に米軍関係者の入国を停止するよう求めました。ところが、山際大志郎・新型コロナ対策担当大臣は「日米同盟の抑止力を棄損する」などとして、米側に提起することすら拒否しました。政府の水際対策には今も"大穴"が開いたままで、米軍関係者は自由に出入国できる状態が続いています。
【2】オミクロン株拡大による今後のコロナ対策で政府は何をすべきか。
在日米軍関係者のコロナ対策をめぐっては、感染が収束するまでの間は、米本国等からの入国を停止するとともに、基地からの外出禁止・解除にあたっても、地域の感染対策に責任を持つ都道府県知事の意向を十分に尊重して判断すべきです。ところが、在日米軍は、現在のまん延防止等重点措置の期限である2月20日に先立ち、1月31日で外出制限を終了する方針を明らかにしました。玉城知事は「まだ解除できる状態にあるとは言えない」とする声明を発表しています。
また、PCR等の検査体制をめぐっても、私たちは、コロナの感染拡大が始まって以降、とりわけ昨年秋から冬の感染拡大に備えて検査能力を大規模に拡充することを何度も要望してきましたが、政府の取り組みはきわめて不十分で、そこにオミクロン株の拡大が重なり、検査体制の深刻なひっ迫を招いています。まずは有症状者や医療従事者への検査に支障をきたさないよう医療機関等への安定供給に責任を果たすとともに、無症状者については、現在の検査能力を重症化のリスクの高い高齢者施設や保育所等に重点的に充てることが必要です。検査能力の抜本的な拡充が急務であり、発熱外来補助金をただちに復活し、地域の医療機関が積極的に参加できるよう支援すべきです。
ワクチンの3回目接種の遅れも深刻で、感染拡大に追いつかない事態になっています。2回目接種後8カ月以上の間隔をあけるという政府の原則を見直すとともに、大変な負担がかかっている自治体に最大限の支援を行うべきです。
「事業復活支援金」を少なくとも持続化給付金並みに増額するなど、事業者や国民への支援を拡充すべきです。
【3】コロナ禍で見えてきた「日本社会の課題」と現政権に望むこと
コロナ禍で、歴代自民党政権が推し進めてきた新自由主義の歪みが噴き出しています。長年の医療切り捨て政策の下で、医師数を抑制し、保健所を半分にまで減らしてきたことが、今回の医療崩壊をもたらしました。コロナ禍で最も深刻な影響を受けたのは女性や若者など非正規労働者でしたが、その背景には、こうした「使い捨て」労働を蔓延させてきた労働法制の規制緩和があります。国民に「自己責任」を押し付ける政治を改め、医療と社会保障を拡充し、正社員が当たり前の社会をつくる必要があります。
消費税を財源にした20万床の急性期病床の削減計画はきっぱり撤回すべきです。75歳以上の医療費2倍化を中止し、国庫負担を引き上げるべきです。また、人間らしい雇用のルールをつくり、非正規雇用の正規化、サービス残業の根絶、中小企業支援と一体に最低賃金の1500円への引き上げに踏み出すべきです。
米軍基地からの感染拡大の大本には、米軍の特権を保障した日米地位協定があります。同協定の下で米軍関係者は自由な出入国を保障され、基地から入国する際には日本側の検疫も免除されています。日米地位協定を抜本改定し、日本の国内法を在日米軍に適用すべきです。
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