農政:全国会議員に聞く「どうするのかコロナ感染爆発」
熊谷裕人 立憲民主党 参議院議員【緊急特集・全国会議員に聞く どうするのかコロナ感染爆発】2022年2月4日
熊谷裕人 参議院議員
〇熊谷裕人
〇立憲民主党
〇参議院議員
〇選挙区:埼玉選挙区
〇出身地:埼玉県さいたま市
1)これまでの政府のコロナ対策についての評価
(1)これまでのワクチン接種の問題点、3回目接種など今後の課題
・日本のワクチン接種は欧米よりも遅れ、昨年夏のデルタ株の感染拡大につながった。また、オミクロン株の感染拡大により3回目接種が急がれる中で、日本の接種率はOECD加盟38カ国の中で最下位の状況にあるなど、これまでの教訓が活かされていない。
・オミクロン株に対する初回接種による発症予防効果は、デルタ株と比較して著しく低下するものの、3回目接種により回復することが示唆されている。このため、自治体への支援を強化し、足元の3回目接種をさらに加速させ、接種スケジュールを前倒しすることが必要である。
・また、国民の生命と安全を守るワクチンを自国で確保するため、ワクチン開発や製造体制強化のための支援を拡充・継続するなど、ワクチンの開発を加速するとともに、安全性を確保するため、予算を拡充すべきである。
(2)医療提供体制の問題点、その今後の課題
・昨年夏の第5波においては、自宅療養中に死亡するという事例が起こった。第5波の反省に立ち、自宅死を出さないために、入院が必要な患者がすぐに入院できる体制を整備すべきである。
・このため、オミクロン株についての重症化予想率を策定、公表するとともに、今後の重症者数の急増を想定し、病床確保など、先手の対策を打つことが必要である。
・また、オンライン診療や電話診療を拡充するなど、自宅療養者へのケアを充実すべきである。
(3)国民生活や経済活動の規制(外出自粛・営業自粛・リモートなど)の補償について
・政府は濃厚接触者の待機期間を始め、世界的に厳しい規制を国民に課してきた。このため、医療従事者やエッセンシャルワーカーが不足するなど社会経済活動に与えた影響は大きい。科学的知見に基づき、オミクロン株の特性を踏まえた迅速な対応が必要である。
・また、生活者・事業者支援を集中的に展開することも必要である。生活困窮者、コロナ禍で収入が減少したこと等により厳しい生活を強いられている低所得の子育て世帯等への支援とともに、厳しい経営状況に置かれながらも、今後も事業継続に強い意志を持つ中小事業者等への支援を講ずる必要があり、財政による機動的な対応を躊躇なく行うべきである。
(4)検査体制の拡充の課題
・オミクロン株の感染拡大による感染者、濃厚接触者等の急増により、外来医療では必要な人に必要な検査ができない事態に直面している。また、無料検査(抗原検査や、PCR検査)については、長時間並ばないと受けらない地域も増えている。さらに抗原検査キットの需要も急増し品薄になっている。
・現状では検査能力が足りていない状況であり、感染状況が落ち着いていた昨秋のうちに検査能力の向上を図らなかった政府の責任は大きい。
・政府は抗原検査キットを増産するようメーカー各社に要請し、国が買い取りを保証することを明らかにしたが、企業がすぐに増産体制に移行し、必要量を確保できるのか不透明な状況にある。
2)オミクロン株拡大による今後のコロナ対策で政府は何をすべきか。
・政府は本年6月までに、感染症危機などの健康危機に迅速・的確に対応するための司令塔機能の強化を含めた抜本的強化策をとりまとめるとして、常会における感染症法改正を事実上見送った。
・オミクロン株対策のためにも、都道府県を超えた患者の受け入れや医療従事者の派遣のための体制等を法的に整備することが必要であり、感染症法改正を先送りすることは国民の理解を得ることはできない。
3)コロナ禍で見えてきた「日本社会の課題」と現政権に望むこと
・政府が進めてきた「withコロナ」では、感染抑制と感染拡大の波が何度となく繰り返され、社会経済活動の制約が長期にわたり、国民生活や経済に深刻な影響が及ぼされてきた。
・感染防止対策と医療支援、そして生活者・事業者支援を集中的に展開し、感染拡大の波を十分に収束させ、その状態を継続させることで感染を封じ込め、通常に近い生活・経済活動を取り戻し、国民生活と経済を力強く再生させることが必要である。
・つぎはぎだらけで混乱している感染症対策の体制と権限を、総理直轄で官房長官が担当する司令塔へと直ちに再編・集約することが必要である。
重要な記事
最新の記事
-
路線バスを使おう【消費者の目・花ちゃん】2025年1月11日
-
シンとんぼ(124) -改正食料・農業・農村基本法(10)-2025年1月11日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (41) 【防除学習帖】第280回2025年1月11日
-
農薬の正しい使い方(14)【今さら聞けない営農情報】第280回2025年1月11日
-
R・ケネディ・ジュニア氏が米国農務省長官顧問に指名された意味(2) 国際ジャーナリスト 堤未果氏2025年1月10日
-
鳥インフル 愛知県で続発22、23、24例目2025年1月10日
-
農地面積 1.1万ha減 目標面積下回る 2023年2025年1月10日
-
米価の見通し「高くなる」判断 過去最高値の「76」 米穀機構2025年1月10日
-
今年の一文字は「進」 山野JA全中会長2025年1月10日
-
(417)100年の流れ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月10日
-
JA貯金残高 108兆6262億円 11月末 農林中金2025年1月10日
-
鳥インフル 米イリノイ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月10日
-
高校生が和牛飼育の取り組み競う「第8回和牛甲子園」16日から開催 JA全農2025年1月10日
-
愛知県産バラで新年を祝う「新春 バラ花束25%OFFキャンペーン」開催中 JAタウン2025年1月10日
-
「博多あまおう」5%OFF「あけおめ!あまおめ!新春セール」開催 JAタウン2025年1月10日
-
本日10日は「魚の日」福島県常磐沖産ひらめ漬け丼など特別価格で販売 JAタウン2025年1月10日
-
濃厚な甘さと豊かな香り「岐阜県産いちご『濃姫』フェア」12日から開催 JA全農2025年1月10日
-
焼き芋やスイーツを堪能「三島甘藷祭り」JA直売所などで開催 JAふじ伊豆2025年1月10日
-
産地直送通販サイト「JAタウン」新規会員登録キャンペーン実施中 JA全農2025年1月10日
-
ホスピス在宅「ビーズの家」運営のbeadsへ出資 農林中金キャピタル2025年1月10日