これからが防除の正念場ーいつもと違う夏が来る2022年6月27日
6月27日に関東甲信などが梅雨明けし、6月下旬に東北南部から九州までが梅雨明けすると予想されている。例年にない早い梅雨明けだ。東北北部も例年より早い7月中旬には梅雨明けするという。「いつもと同じ」ではない、「いつもと違う夏が来る」と考え、水稲をはじめ農産物の生産管理、とくに病害虫防除に取組む必要があるのではないだろうか。
関東甲信地方は、6月6日に梅雨入りし、その後都心でも雹(ひょう)が降り驚かされ、千葉県市川では生育中のナシの果実が直撃され大きな被害が生じている(注1)。だが、関東甲信の6月降雨量は、長野が平年の112%、前橋が同102%と平年並みで経過しているのに、東京が平年の半分程度(53%)、水戸78%、宇都宮60%、熊谷82%、銚子56%、千葉74%、横浜70%、甲府75%(6月25日現在)と多くの地域が「空梅雨」となっている。
降水量の詳細は不明だが、平年は7月中旬から下旬に梅雨明けする東北南部から九州南部まで、ほぼ日本全体が6月下旬には梅雨明けすると予想されている。東北北部も平年の7月下旬より早い7月中旬には梅雨明けし、日本中に夏がやってくる。
だが「いつもの夏がやってくる」と思わない方がいい。昨年の夏、北海道の玉ネギ産地で雨が降らず(干ばつ)収穫量が大幅に落ち込み、価格が高騰。いまだに家庭の台所や飲食店の経営に大きな打撃を与えていることを、同じ生産者として忘れないで欲しい(注2)。
温暖化の影響なのか詳しいことは分からないが、毎年、天候の様子が変化し、季節の感覚が変わってきている。だから「いつもと同じ夏が来る」と思わず、「いつもとは違う夏がやってくる」と考え、油断なく天候の変化を読み取り、生産管理や防除に取り組んでいくことが大事になるのではないだろうか。もちろん梅雨が明けても「ゲリラ豪雨」はまた襲ってくるだろう。
「いつもと違う夏」は、天候面だけではない。病害虫の発生でも同じことが言える。
すでに報じたが(注3)「サツマイモ基腐病」は、6月に兵庫県でも確認され26都府県に感染が拡大している。
また、2021年10月に熊本県で国内で初めて確認された「トマトギバガ」は、同年12月に宮崎県で、今年3月に鹿児島県、大分県、福岡県、長崎県で確認された跡、海を渡った四国の愛媛県で4月に、6月に和歌山県(注4)で確認されるなど、今後の感染拡大が懸念されている。
そして5月に佐賀県で国内初確認された「キク小斑点病」(注5)は、キクだけではなくトマト小斑点病を引き起こす病原として警戒する必要がある。
ここには記さなかったが、今年に入ってからも全国の防除所から様々な注意報や特殊報が出されている。JAcomでは入手次第記事化し発信しているので、自分の地域の話ではなくても、いつ自分のところにくるのか分からないのだから参考にして欲しい(注6)。
もうすぐ「いつもとは違う夏」がやってくる。油断せず「ここが正念場」と思い、品質が良く美味しい農産物を生産し、提供して欲しい。
ロシアのウクライナ侵攻で食料問題がクローズアップされているが、私たち日本の消費者が頼りにしているのは、日本の農業生産者である皆さんなのだから――。
(注1)【クローズアップ】梨畑の7割に降ひょう被害 不安募らせる農家 JAいちかわ
(注2)【5/30~6/5日版】先週よく読まれた記事【クローズアップ・タマネギ価格高騰】いつまで続くタマネギ価格の高騰 産地に聞く・他
(注3)【クローズアップ】価格への影響は? サツマイモ基腐病が全国に拡大
(注4)【6/13~6/19日版】先週よく読まれた記事 【特殊報】トマトキバガ 印南町で発生 県内で初めて確認 和歌山県・他
(注5)キク小斑点病 キクの葉での病徴は国内初の確認 耕種的防除を 佐賀県
(注6)【2022年最新版】全国病害虫発生情報
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