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FMCセンターSP:ベネビア®OD

タバココナジラミによるウイルス媒介を確実に抑制 エフエムシー・ケミカルズのベリマークSC2022年11月9日

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エフエムシー・ケミカルズが販売する、野菜を加害するチョウ目害虫やコナジラミなど広範囲の害虫を効果的に防除する野菜灌注処理用殺虫剤「ベリマーク®SC」について、熊本県でトマトづくりなどに取り組む専業農家に、その使い勝手や効果などを聞いた。

JAやつしろ 営農部の営農指導係 上田 誠さん(左) と米山由紀夫さん(右)JAやつしろ 営農部の営農指導係 上田 誠さん(左) と米山由紀夫さん(右)

熊本県八代市の専業農家、米山由紀夫さんは、日本一のトマト生産量を誇る熊本県の代表的な産地、JAやつしろ管内で、ご両親や奥様、従業員と水稲2haとトマト60a(かれん)の栽培を手掛けている。近年の課題は、タバココナジラミのウイルス媒介による黄化葉巻病の被害。米山さんもその対策に手を焼き、以前は1日数十本もの苗を抜根しなければならない日が続いたこともあったという。

タバココナジラミタバココナジラミ

「定植時期が8月下旬なのですが、この地域は台風が多く、強風でビニールが飛ばされてしまうので、ハウスにビニールを展帳するのは10月上旬になります。定植してから10月上旬までずっと露地状態なので、タバココナジラミがすぐに飛び込んできます。定期的に防除しても、害虫の密度の方がすごいので被害が止められませんでした」と、米山さんは以前の被害について振り返る。

JAやつしろ管内では、この対策として黄化葉巻病の耐病性大玉トマト品種を導入し、徐々に拡大してきた。しかし、ここ数年、また病徴の発生が増えはじめ、特に今年は黄化葉巻病の被害が多かったという。この背景について米山さんの良き相談相手であるJAやつしろ営農部の営農指導係、上田誠さんは次のように指摘する。

トマト黄化葉巻病黄化葉巻病の症状

「黄化葉巻病の耐病性品種が普及したことで、生産者の皆さんにも気の緩みがあったのかもしれません。収穫シーズンを終えた後の蒸し込み処理やタバココナジラミの最終防除が不完全なまま、圃場の片づけをすることが多かったのではないでしょうか。そのためタバココナジラミが屋外に飛び出して、ウイルスの保毒が伝播していったことが背景にあると推測しています」

定植後3週間効果が持続 タバココナジラミ防除しっかりと

米山さんは黄化葉巻病対策を徹底するために、5年ほど前からベリマーク®SCを採用。トマトの定植前日にベリマーク®SCを灌注処理し、定植時に粒剤の他殺虫剤を処理してきた。
「定植後は露地状態にさらされるので、タバココナジラミにやられるリスクが高い。ベリマーク®SCは定植後も3週間ぐらい効果が続いて、黄化葉巻病の発生をしっかり抑えてくれていますね」。

米山さんの圃場では昨年8月、全圃場の約4割の苗に対し、育苗期後半の鉢上げ後にベリマーク®SCを処理する試験を実施した。JAやつしろの調査では、薬害の発生もなく、従来の定植前日処理と同等の、定植後3週間という長い防除効果が得られたという。

米山さんが育てているトマト米山さんが育てているトマト

「早めにベリマーク®SCをやっておいた方が、育苗期後半から防除がしっかり強化されて、タバココナジラミによるウイルス感染が抑えられます。灌注処理なので成分が根からすばやく吸われて、トマト苗の生長点に効き続けているな、という実感がありますね。定植後もしっかり効いていたから、もしかしたら定植時に処理する殺虫剤の粒剤は、今後省けるかもしれません」。

ベリマーク®SCの灌注処理は、トマト苗4500株に対し30分で完了。粒剤の半分以下の時間で処理できて、作業も大変省力的になったと話す。

JAやつしろの上田さんも「米山さんにお願いしたベリマーク®SCの試験では、育苗期後半の鉢上げ後に処理してから定植後3週間までの合計5週間程度は防除効果が続いていたイメージです。従来の定植前日処理もいいのですが、省力化ニーズの高い生産者の皆さんに今後すすめていきたいタイミングですね。令和4年産のトマト防除暦から、べリマーク®SCの育苗期後半の鉢上げ後処理を、追記していく予定です」と解説した。

ハチに影響の少ないベネビア®ODも活用

また、上田さんは「トマトの植物体にベリマーク®SCの成分を吸わせておいて、さらに地上では定期的に他殺虫剤を散布することで、タバココナジラミ防除に万全を期すことができると思います」とも話す。
米山さんの場合は、ベリマーク®SCを育苗期後半の鉢上げ後に使用後、ビニール展張をした後の10月中旬~下旬ごろに授粉用のマルハナバチを導入。その後、ローテーション防除の中で2~3回ベネビア®ODを散布している。

「タバココナジラミに効果が高くて、ハチに影響の少ない薬剤って多くはないんですよ。ベネビア®ODは散布翌日にはマルハナバチを放飼できるので、本当に助かります。ハモグリバエも同時に防除できるので、1石3鳥ですね」と笑顔で話す。

「今年はトマト苗1万2000株の全量にベリマーク®SCを灌注処理するつもりです。ベネビア®ODとのコンビで、より確実な害虫防除ができると思っています」とも話した。秀品収穫を見据えた米山さんの澄んだ目が印象的な取材だった。

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