C-DZ作戦で楽に水田畦畔の雑草管理 効果的な除草剤とは? 北興化学工業株式会社2024年6月24日
昨年の夏、全国的に猛暑だったことを覚えていますか。米の品質にも影響が出るほどだった。生産者の声として、水田畦畔の雑草管理を草刈で対応した場合、稲の栽培期間中で月1回は作業することになる(4~9月として6回)。作業軽減のため、茎葉処理除草剤と草刈りを併用している生産者も少なくない。それでも昨年の暑さは体力的にこたえたとの声が多かった。
北興化学工業株式会社は水田畦畔の雑草管理について「C-DZ作戦」を提唱している。
この方法では3種の薬剤の組み合わせで稲の栽培期間中の雑草管理を3回で完成させる作戦だという。Cとは「カソロン粒剤6.7」、Dは「ダイロンゾル」、Zは「ザクサ液剤」で展示ほを開始した。
①カソロン粒剤6.7効果(提供:2024年北興化学工業 現地試験)
試験地:埼玉県加須市 薬剤処理日:2月26日(気温 7℃) 雑草発生始期
供試薬剤:カソロン粒剤6.7(6kg/10a相当を処理)
カソロン粒剤6.7は粒剤タイプの土壌処理除草剤。雑草の発生前から始期までの処理が効果的で、散布適期は雑草の草丈5㎝程度までであるが、雑草の発生を長期にわたって抑えることができる。
粒剤の処理に慣れていない生産者もいると思うので、今回は生産者が所有していた散粒器「ヤマト農磁:グリーンシャトルⅡ」を借りて、カソロン粒剤6.7を春先2月26日(気温7℃)に処理した。その後、何もせず、ただ見守るだけで抑草効果を発揮する便利な薬剤だ。
粒剤は液剤とは異なり、希釈水の重たさがなく、気温の低い時期に処理することができ、体力の負担は少ない。
②ザクサ液剤 効果 (提供:2024年北興化学工業 現地試験)
試験地:埼玉県加須市 薬剤散布日:5月23日(気温 21.3℃) 雑草生育期から旺盛期
供試薬剤:ザクサ液剤(100倍 100L/10a相当を散布)
カソロン粒剤6.7の処理87日後でザクサ液剤を生産者から借りた電動噴霧機の「グラカバー付きキリナシノズル」で散布した。カソロン粒剤6.7の効果は2ヶ月半ほどあった。その後、雑草を生長させた。なぜ、すぐにザクサ液剤を散布しなかったのか、それは「5月上旬から田植えが始まり、作業に専念したい」「ザクサ液剤は発生した雑草を枯らすので、雑草の生育が旺盛期になるまで待った」ことの2点が重要なポイント。
ザクサ液剤は、土壌処理除草剤のカソロン粒剤6.7とは異なり、発生した雑草に薬液が付着して効果を発揮する。また、気温が高いほど効果の発現が速い。その為、液量をしっかりかけることが大切と話す。
上段(散布前) :左;スギナ、中央;シロツメクサ、右;ヨモギ
下段(散布6日後):左;スギナ、中央;シロツメクサ、右;ヨモギ
問題雑草の効果について、ほ場には「左:ツユクサ、右:ヒメムカシヨモギ」が発生しており、散布6日後にはしっかり枯れていた。
最後に「C-DZ作戦」について、7月上旬に「ダイロンゾル(土壌処理除草剤:土中からの雑草の発生を抑える)+ザクサ液剤(茎葉処理除草剤:発生している雑草を枯らす)」を混用散布して、最後の仕上げとなる。
この方法で、水田畦畔の雑草管理が3回で完成すれば、猛暑時の作業低減、さらに稲の収穫時期まで雑草を抑えることで、水田畦畔経由の斑点米カメムシ類の侵入も防ぎたいと語る。
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