新剤開発、海外展開を加速 アグロ カネショウが決算2013年2月13日
アグロ カネショウは2月12日、平成24年12月期決算を発表した。センチュウ剤「ネマキック」やダニ剤「カネマイト」の販売好調、農業者への直接の技術普及やJAなど販売店との連携を密にする「トライアングル作戦」といった販売促進戦略が奏功し増収増益となった。
売上高は前年に比べて6億700万円(5.4%)増の119億1700万円、営業利益は同6900万円(6.3%)増の11億6500万円、経常利益は同1億3400万円(12.9%)増の11億7300万円、当期純利益は同6億5500万円(前年は2億7600万円の損失)だった。1株あたりの当期純利益は53.8円。
製品別の販売実績では、殺菌剤が同7.1%減の51億円、除草剤が同12.6%減の17億円と落ち込んだものの、殺虫剤が同30.2%増の26億円、輸出やその他が同35.3%増の24億円と大きく伸ばした。
◆結城事業所中心に新たな成長戦略
この日の決算説明会で櫛引博敬代表取締役社長は、「原発事故被害を克服する新たな成長戦略」として、結城事業所を中心にした新剤開発のスピードアップや生産供給体制の強化などを挙げた。
新剤の開発では、福島第一原発事故による操業停止をうけた福島工場に替わり、24年1月に開所した結城事業所(茨城)を中心に、新規開発剤の候補選定や研究の効率化をすすめる。また、新たな生産拠点として同所に建設中の茨城工場は、4月下旬に完成する予定。
そのほか、海外展開の加速として、現在海外の27の国と地域で農薬登録を取得している「カネマイトフロアブル」について、今年はポーランド、スペイン、イギリス、ベルギー、ポルトガル、エジプトなどでの登録拡大を予定していることを紹介した。
25年の業績予想では、殺虫剤、輸出・その他の売上高を維持しつつ、殺菌剤、除草剤の販売を回復させ、売上高123億5800万円と増収を図る。ただし、販管費が増える影響などで、営業利益8億5200万円、経常利益8億6500万円、当期純利益5億3000万円と利益面では減益となる見込み。
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