タフブロックなど 出光の微生物農薬が表彰2013年7月18日
井上春成賞委員会は今年度の井上春成賞の受賞者を決め、栃木県農業試験場の石川成寿さんと出光の「環境にやさしい生物農薬の開発」の協同研究が受賞した。
井上春成賞は大学や研究機関の研究から事業化につなげ経済発展に貢献した技術を讃える賞。日本三大技術賞の一つに数えられ、今年度で38回目となる。
今回、受賞したのは有用な善玉糸状菌であるタラロマイセス菌と、それを利用した微生物農薬に関する研究だ。
栃木県は収穫量で44年間全国1位を誇るイチゴの大産地だが、この微生物農薬はイチゴの難防除病害であるイチゴ炭疽病に高い効果を発揮する。1997年に開発をスタートし、2001年に「バイオトラスト水和剤」、08年に「タフパール」「タフブロック」を開発。さらに12年には水稲用種子消毒剤「タフブロックSP」も開発・販売した。
国内の生物農薬の開発は昭和30年にスタートしたが、本格化したのは平成に入ってから。委員会では「これら4剤の商品化により、拮抗糸状菌の有効性が広く認識され、その活用分野が大きく開けた。なお、イチゴ炭疽病、水稲褐条病、いもち病に対する生物農薬の適用は世界初」だと評し、特に「タフブロック、タフブロックSPの普及により、主食である米の有機栽培、減農薬栽培などの有力なツールになった。これらの上市により、生物農薬が広く普及し、一般的な防除技術として定着した」と、その功績を讃えている。
(写真)
7月17日の贈呈式より。前列左が齊藤勝美・出光取締役、隣が石川成寿さん
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