薬剤抵抗性対策に重要な情報源 日植防2013年10月11日
「農薬作用機構分類一覧」を発行
生産現場で病害虫などの防除計画を作成するときに、薬剤抵抗性対策は重要な課題だといえる。しかし、現状では的確な資料がないため、農薬製品ごとに作用機構(同一系統)上のどの系統に分類されるかを見分けることは難しいといえる。こうした課題に応えるために、(一社)日本植物防疫協会(日植防)は「農薬作用機構分類一覧」を発行した。
この「一覧」は、農薬製品ごとの作用機構分類を一覧表にし、病害虫防除において抵抗性対策に配慮した農薬選択を行うときに役立つ資料集だといえる。
病害虫の薬剤に対する抵抗性を発達させないためには、同じ作用機構をもつ農薬を連用しないことが大事だといわれる。そのためには、使用しようとする農薬の作用機構分類を知ることが必要だ。しかしこれまで、有効成分ごとの作用機構分類が公表されている資料はあったが、個々の農薬製剤の作用機構分類が分かる資料はなかった。
今回、日植防から発行されたこの「一覧」では、生産現場から抵抗性に対する要望が強い殺虫剤、殺菌剤について国内で登録のある農薬製品ごとに、その製品に含まれる有効成分の作用機構分類を一覧表にして掲載、使用する農薬の作用機構分類を商品ごとに確認できるようになっているので、農薬使用者はもとより防除指導者が病害虫防除計画を作成するときの貴重な情報源として活用できるといえる。
また、殺虫剤抵抗性や殺菌剤耐性に関する解説も収録されており、農薬の薬剤抵抗性の入門書としても活用することができる。
【主な内容】
1.薬剤抵抗性について
1殺虫剤抵抗性
2殺菌剤耐性
2.作用機構による分類
1製品別作用機構分類一覧(殺虫剤、殺菌剤、殺虫殺菌剤)
2作用機構分類別製品一覧
3.農薬の作用機構分類
1殺虫剤の作用機構分類(IRACによる)
2殺菌剤の作用機構分類(FRACによる)
【価格など】
▽書名:農薬作用機構分類一覧
▽発行・編集:一般社団法人 日本植物防疫協会
▽定価:945円(本体価格900円)(A4判117頁、送料は無料)
▽発行年月日:2013年9月
▽ISBN:978-4-88926-134-9
(関連記事)
・IPM、農家の我慢が大事 日植防シンポジウム(2013.09.20)
・日植防が総会 創立60周年記念誌を発行(2013.06.14)
・販売価格への反映が難しい環境保全型農業 日植防シンポジウム(2013.01.22)
・薬剤抵抗性は生産コスト増大につながる 地域連携で対策を 日植防シンポジウム(2012.09.13)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日