ベンゾビシクロン国内普及拡大めざす SDS2014年2月17日
エス・ディー・エス バイオテック(SDS)は2月7日、平成25年12月期決算を発表した。単体の業績は、円安による海外売上高の改善などをうけ、増収増益となった。
◆単体業績は増収増益
同期の業績は、売上高130億3400万円、営業利益11億2800万円、経常利益10億1000万円、当期純利益6億4200万円だった。同社は昨年1月、インドの農業資材メーカーであるラムサイズ社を連結子会社化したため、連結業績では前年度との比較はないが、単体の業績では売上高が前年比4.3%増の108億円、営業利益が同11.6%増の10億4000万円、経常利益が同14.7%増の9億9600万円、当期純利益が同23.5%増の6億5500万円と増収増益だった。
品目別の売上高は、主力の殺菌剤が46億円、水稲除草剤が38億円、緑化関連剤が19億円、殺虫剤が17億円、その他が10億円だった。殺菌剤では、同社の主力製品である園芸用殺菌剤「ダコニール」が海外での販売をのばした。水稲用除草剤では国内のベンゾビシクロン普及面積が昨年に比べて微減となった。
◆他社新剤の性能強化
2月13日には安田誠社長らが会見を開き、次期の見通しと今後の戦略について発表した。
主な取り組みとしては、引き続き「ダコニール」と「ベンゾビシクロン」のアジア市場への拡大を図る。
ダコニールは海外市場ではジェネリック品との競争が激化しているが、「品質を維持しながら、競争力を高め」(安田社長)、今後もフィリピン、韓国、中国をおもなターゲットとして拡販をすすめる。
ベンゾビシクロンは、国内では他社が開発した新しい原体の性能強化に役立つとの評価をうけていることから、年々同剤を含む農薬の登録数が増えており、25年末では73剤が登録されている。同剤の普及面積は22年をピークに漸減傾向だったが、「農薬登録数は着実に増えており、時間差で普及面積も回復する」との見込みだ。また、海外では、現在登録のある韓国だけでなく、インド、欧州、北米などでも実用化試験をすすめており、早期の市場拡大をめざす。
そのほか、年内に上市をめざす新剤として、芝用除草剤「ポアキュア」、同アミカルバゾン、微生物殺菌剤「インプレッションクリア」などがある。
これらの取り組みのほか、年10%を超えるというインドの農薬市場の伸びが、そのままラムサイズ社の業績にも反映される見込みであることから、次期の業績は売上高149億円、営業利益14億円、経常利益12億円、当期純利益7億円と増収増益を見込んでいる。
(写真)
会見に出席した安田社長(左)と高橋常務
(関連記事)
・海外子会社好調、業績予想を上方修正 SDS(2014.01.28)
・SDS、インド・ラムサイズ社の社名変更(2013.05.08)
・相次ぐ新剤投入で業績回復めざす SDS(2013.02.14)
・ジェネリック品との競争激化で減収 SDS (2013.02.07)
・インドの農業資材メーカーを子会社化 SDS (2012.12.11)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日