ノビエに卓効を示す期待の新規除草剤「フェノキサスルホン」上市2015年3月11日
クミアイ化学工業(株)は3月10日、新規有効成分「フェノキサスルホン」を含有する、水稲用初中期一発処理除草剤「ガンガン」、「ベンケイ」、「クミスター」3剤を、平成27年3月13日より上市することを記者発表した。
同剤上市について、大竹丈夫専務は「フェノキサスルホンは、当社とイハラケミカルが共同開発したイソキサゾリン系除草剤で、ノビエ及び一年生広葉雑草を主対象としたもので、環境や水変動による影響を受けにくく、残効性に優れている」と新剤と特徴を語った。
また同剤は、「安全で環境負荷の少ない国産水稲用除草剤の開発・実用化」として、画期的技術の開発促進を目的とする平成19年度の民間実用化研究促進事業に採用され、国からの支援を受けて開発を行ったものだ」と、開発経緯を説明した。
そして、昨年10月3日に初中期一発処理除草剤「ガンガン」、「ベンケイ」、「クミスター」3剤の農薬登録を取得した。「ガンガン」、「ベンケイ」の2剤は、「系統事業の中でも重要なものと位置づけ、積極的な普及を計画している」と期待を込め、販売方針を述べた。
(写真)
上:挨拶する大竹専務
「ガンガン」(=右)は、フェノキサスルホンと自社有効成分ピリミスルファンとの2成分混合剤で、処理適期幅が広く、ヒエ及び難防除多年生雑草に対し、高い効果を示す。1キロ粒剤は田植同時処理が可能だ。
「ベンケイ」(=左下)は、フェノキサスルホン・ピリミスルファン・ベンゾビシクロンとの3成分混合剤。処理適期幅が広く、さまざまな雑草に高い効果を示す。抵抗性ホタルイや難防除多年生雑草に対しても卓効を示し、イボクサ、アシカキなど畦畔からの侵入雑草にも有効だ。1キロ粒剤は田植同時処理ができる。
「クミスター」は、フェノキサスルホン・ブロモブチド・ベンスルフロンメチルの3成分混合剤。ヒエに対して安定した効果と長期残効を有し、抵抗性ホタルイにも高い効果を示す。1キロ粒剤、ジャンボ剤、豆つぶ剤、フロアブル剤と剤型が豊富で、さまざまなニーズに対応できる。
◎フェノキサスルホンの特長
・新規骨格の水稲用ノビエ防除剤で、発生前?生育初期のノビエに優れた効果を有する。
・殺草スペクトラムが広く、アゼナやコナギなどの一年生広葉雑草に対して幅広い効果を有する。
・適度な土壌吸着性を実現し、水田系外への流亡リスクが低い。
・十分な残効性を備え、降雨によるオーバーフローなどの水変動に強く、効果が安定しているなど。
フェノキサスルホンは、これら水稲一発処理除草剤に対するニーズを、充分満たす優れた特性を持っている。
なお、「ベンケイ」の豆つぶ・ジャンボ剤は平成28年に上市される。後続混合剤では「ヤブサメ」豆つぶ、「クサビ」フロアブルが平成28年に上市される。同混合剤は、社外で「アルファープロ」(三井化学)「オオワザ」(日本農薬)の2ブランド9剤が登録を取得している。
(写真)
初中期一発処理除草剤「ガンガン」と「ベンケイ」
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