デンカ売上高3956億円で過去最高益を更新2018年5月14日
・農業資材も好調、17年度決算で明らかに
総合化学メーカーのデンカ株式会社(山本学社長)は5月10日、東京・中央区の本社で2017年度決算説明会を開いた。
決算説明は山本学社長(=社長)自らが行った。それによると、2017年度の同社経営成績は国内外での拡販やコスト削減を図りつつ、業容拡大と収益確保などに努めた結果、売上高3956億2900万円、前年同期比で約330億円の増収となり、過去最高益を更新した。主力商品のクロロプレンゴムや電子・先端プロダクツ製品の販売が好調だったことに加え、原材料価格上昇に応じた販売価格改定が功を奏した。
収益面ではヘルスケア分野などへの先行投資で負担が増加したが、販売数量の増加や交易条件の改善が収益拡大に寄与、営業利益は336億5200万円(前年同期比30.2%増)、経常利益は314億9900万円(同36.0%増)、当期純利益は230億3500万円(同26.9%増)となり、それぞれ過去最高益を更新した。
部門別では「エラストマー・機能樹脂部門」が1784億4400万円(同17.6%増)で増収確保。また「インフラ・ソリューション部門」も531億4600万円(同2.6%)で増収だった。これは農業や土木用途向けのコルゲート管や耐火断熱材などに使われるアルミナ繊維の販売数量の増加が貢献した。
山本社長は18年度の売上高で4100億円をめざすとした上で、今後の経営方針についても触れ、同社が策定した5ヶ年新経営計画「デンカ・バリューアップ」(2018年度から22年度まで)について説明を行った。新計画では、(1)ヘルスケア、(2)環境エネルギー、(3)高付加価値インフラの3つを重点分野としてとらえ、そこに経営資源の集中を図り、積極的な戦略投資を進めるとした。
山本社長は、この3分野とエラストマー(ゴム弾性を有する高機能性工業用材料)などの基盤事業を合わせた4つの事業を「スペシャリティー」と定義。社長はこれを、「独自性と高付加価値を兼ね備え、外部環境にも左右されにくく、世界でもトップクラスのシェアを有する事業を指す」とした。そして17年度の営業利益のうち約50%だったスペシャリティー化比率を、20年度で75%、22年度には90%まで拡大させ、文字通り「スペシャリティ・フュージョン・カンパニー」への変貌をめざすと述べた。
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