札幌で食の安全や農薬を学ぶ農薬ゼミを開催 農薬工業会2019年7月17日
農薬工業会北海道支部は7月6日、札幌コンベンションセンターで消費者向けに農薬の役割、人の健康や環境への影響、食の安全性の確保について専門家がわかりやすく 解説するセミナー「お母さん、知って安心、家族も安心 やさしい農薬ゼミ」を開催した。
農薬の正しい理解を目的に全国で開催しているセミナーで今回は、札幌市を中心に250人が参加した。第一部は東京大学大学院の浅見忠男教授が「農薬とは何か?」を解説。第二部では残留農薬研究所の青山博昭氏が「農薬の安全性」について解説し、特別ゲストで石狩地区高級ブランド米創出協議会の稲村英樹会長は生産現場の視点から話した。
農薬ゼミでは、作物の安定的な栽培のために農薬が不可欠であることを説明。農薬を使わないと収穫量に大きく影響し、水稲では約2割、りんごでは約9割が減少することや、合成農薬が登場したことで収量は大きく増え、増加する日本の人口を支えてきたことなどを伝えた。
また、除草剤を使うようになってから労働時間が劇的に減り、10a当たりの除草労働時間が1952年の31時間から1.3時間(2011年)へと大幅に減少したことを報告。また、農薬の安全性を確保するために27項目のさまざまな試験を行なっていることなど安全性についてもアピールした。
さらに、生産者からは、コストを抑えるため、農協などの指導の下、必要量の農薬を適正に使用していることや、防除日誌により農薬をきちんと管理していることなどを報告。参加者からは、「農薬を使用した作物を長い間食べ続けたことによって、がんになる心配はないか?」「農薬の使用基準は国ごとに異なるのか?」などの質問が寄せられた。
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