LEDで減農薬 アザミウマ類防除マニュアルを公開2019年11月27日
大阪府立環境農林水産総合研究所、(株)光波、静岡県農林技術研究所、農研機構の4社は共同で、施設栽培のナスやメロンなどに赤色LED光を照射することで、害虫のミナミキイロアザミウマに高い防除効果を示す技術を開発。そのノウハウをまとめた「赤色LEDによるアザミウマ類防除マニュアル」を作成した。
農業生産の現場では、即効性があり安定した効果を示す殺虫剤が繰り返し使われた結果、殺虫剤の効かない害虫が出現している。重要害虫であるアザミウマ類も殺虫剤抵抗性の発達と対策が課題となっており、減農薬につながる新しい防除技術の開発が求められている。 LEDによって減農薬につなげる研究を進めてきた4社はこのほど、日中に赤色LED光を作物の葉に照射すると、ミナミキイロアザミウマの成虫が作物に近づく行動が抑制されることを明らかにした。防除マニュアルには、赤色LED照射によるアザミウマ類の防除のしくみと赤色LED防除装置の導入や利用に関する手引きが記されている。
赤色光がない場合、成虫はハウス外から侵入し葉を加害し、産卵する。その後、幼虫は葉や果実を吸汁して成長し、蛹化するために土壌へ移動。蛹は4~5日で羽化すると再び葉へ移動し加害するが、赤色光を葉に当てると成虫が定着しにくくなるという。ただし、すでに葉に定着していると赤色光を当てても成虫が逃げることはなく、夜間に照射するとかえってアザミウマ類を誘引してしまうという。
赤色LEDによる新規害虫防除装置は、LED応用技術と光学技術を駆使してさまざまな分野で商品開発を行っているメーカー、光波が開発し販売する。この装置に使われる赤色の光は人間には無害なものだという。
詳しくは、地方独立行政法人 大阪府環境農林水産総合研究所のホームページ参照。
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